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内閣人事局の誕生で、キャリア官僚たちが大慌て
激震! 霞が関 「7月人事」の全情報 実名・顔写真つき

週刊現代 プロフィール
内閣人事局の発足で、官僚は安倍官邸の意のままに操られる?〔PHOTO〕gettyimages

「行政のタテ割りは完全に払拭される」。安倍総理が高らかに宣言して発足した内閣人事局。一見、清新なイメージだが、その水面下では霞が関と官邸が人事をめぐって壮絶な抗争を繰り広げていた—。

財務省の前例なき人事

安倍政権と霞が関の間で「夏の幹部人事」をめぐる攻防が激烈を極めている。

発端は先月末に発足した内閣人事局だ。

「これまで官僚主導で行われてきた幹部の人事権を内閣人事局に一元化し、官邸主導で審議官級以上、約600名の人事を決定することになった。要は政権の意に沿わない官僚を、要職からパージできるフリーハンドを官邸が握ったわけだ。安倍官邸の方針に従った政策をする人物しか幹部に登用しないということを、霞が関に叩き込むためのものだ」(自民党ベテラン秘書)

内閣人事局の初代局長ポストをめぐっても、一波乱があった。当初内定していた警察庁出身の杉田和博官房副長官('66年入庁)の人事が直前に撤回され、同じく官房副長官で政務担当の加藤勝信氏(旧大蔵省出身、当選4回)が抜擢されたのだ。

「杉田氏は周囲に『俺がなる』と吹聴していましたから、内定は間違いありません。それをひっくり返したのは、菅義偉官房長官です。官僚トップの杉田氏が霞が関の人事改革を担うのは、印象が悪い。そこで、安倍総理の了承を得た上で、加藤氏の起用を決め、その結果、緒戦から『政治主導』を鮮烈に印象づけることに成功しました」(官邸関係者)

安倍官邸が霞が関の聖域に手を突っ込んでくることを、官僚たちが手をこまねいて見ているはずがない。財務省はすでに鉄壁の防御を張り巡らせている。

現在、事務次官を務める木下康司氏('79年入省、以下同)が、6月末で就任1年を迎える。通常、財務事務次官の任期は1年で、2年を務めたのは、「10年に一人の大物次官」と呼ばれ、現在はIIJ社長の勝栄二郎氏('75年)ぐらいのもの。慣例どおり、木下氏は退官する見通しだ。その後継人事に、財務省は「異例中の異例」となるプランを持ってあたるという。

「木下氏の後任には現在、主計局長の香川俊介氏('79年)が有力視されています。香川氏は勝次官時代に政界工作を主導し、消費増税の与野党合意の筋道をつけた功労者です。昨年秋に食道がんの手術を受けましたが、再発は見られませんし、酒を飲まなくなって体調管理も万全。官邸からもその実力は認められているため、今夏の次官就任は既定路線です。問題はその次の次官なのです」(全国紙経済部デスク)

財務省は、「次の次」の事務次官に木下氏、香川氏と並んで、「'79年入省の三羽ガラス」と評価される実力者、田中一穂主税局長を当てようとしているのだ。

田中氏は第一次安倍政権で首相秘書官を務め、安倍総理が政権を投げ出したあとの不遇な時代にも政策面での助言を続けた「総理の身内的な存在」だという。

財務省の次官人事は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の事務総長を務める武藤敏郎氏('66年)や勝氏といった元財務省首脳と、前任の事務次官の意見などを元に決められてきた。

今回、安倍官邸に恭順の意を示すために彼らが出した結論が、田中氏をいったん主計局長か国税庁長官にして、木下→香川→田中という同期3人で次官職をたらい回しにする、前例のない人事構想というわけだ。

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