「NGOとして人々に関わってもらうためには『ない』ことが大切です」---テラ・ルネッサンス創設者兼理事・鬼丸昌也氏インタビュー【後編】

新刊『僕が学んだゼロから始める世界の変え方(扶桑社)』を発売したばかりの、NPO法人テラ・ルネッサンス創設者の鬼丸さんのインタビューを掲載します。どうぞお楽しみください。【前編】はこちら。

鬼丸昌也氏
1979年、福岡県生まれ。立命館大学法学部卒。高校在学中にアリヤラトネ博士(サルボダヤ運動創始者/スリランカ)と出逢い、『すべての人に未来をつく りだす能力がある』と教えられる。2001年、初めてカンボジアを訪れ、地雷被害の現状を知り、「すべての活動はまず『伝える』ことから」と講演活動を始 める。同年10月、大学在学中に「全ての生命が安心して生活できる社会の実現」をめざす「テラ・ルネッサンス」設立。2002年、(社)日本青年会議所人間力大賞受賞。地雷、子ども兵や平和問題を伝える講演活動は、学校、企業、行政などで年100回以上。遠い国の話を身近に感じさせ、一人ひとりに未来をつくる能力があると訴えかける講演に共感が広がっている。

借り物競走的リーダーシップ

イケダ: 今回のお話では、リーダーシップについても伺いたいと思っています。英語ができないけど、なんとかなっているという話は、これからのリーダーシップを示す象徴的なストーリーだと思います。PLASの門田さんなんかもそうですが、頼るのが巧いんですよね。

鬼丸: 僕に関していうと、基本、自己評価が低いんです。すぐ凹むし、自信ないし。

でも、「だから」テラ・ルネッサンスが大きくなったんです。英語をしゃべれないから、任せるしかありませんでした。経営者として責任は取るけど、任せるよというスタンスです。岩手の事業も、僕は岩手に住めないし、任せるしかありません。とはいえ性格的に人にお願いするのは苦手なんですけど、自分でやってしまって大変なことになるのもわかっています(笑)

変な話ですが、任せるときに期待はしていません。信じるしかありません。そうすると、不思議と期待以上の成果を出してくれます。理念というベースさえそろっていれば、うまくいくのではないでしょうか。

イケダ: まさにこれからのリーダーシップという感じです。その方がむしろ、メンバーのパフォーマンスは高まるとぼくも思っています。

鬼丸: 「ない」ことが資源ですよね。NPOは「借り物競走」がうまい方がいいと思うんです。

ここは見解の相違がある部分だとは思いますが、すべてをソーシャルアントレプレナー(社会起業家)で一色にしてしまうのは違和感があって、僕としては「市民運動」であることも大切だと思っています。NGOとして、人々に関わってもらいたい。そのためには「ない」ことが大切です。「NGOブラックホール説」です(笑)これは極論ですが、人々の助けを求めないNPOというのは、社会的使命を果たしていないとすら思います。

イケダ: ブラックホールのように人々を巻き込んでいく、というのはイメージがしやすいですね(笑)ある意味で理想論だと思いますが、実践していく上での難しさというのは、どこにあるのでしょうか。

鬼丸: ないことをオープンにするというのは、厳しいことで、恥を捨てなければいけません。あとは、面倒くさいですよ、人に関わってもらうというのは。それはもう大変で、わかりあえないことも当たり前にあります。

でも、そのめんどくささが社会を変えると思っています。注意しているのは、あまりにもスマートになりすぎることです。泥臭くあること、先輩たちはそうやって社会を変えてきたわけですし。

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