経常収益9,000万円のNGO創設者は、英語が喋れない---テラ・ルネッサンス創設者兼理事・鬼丸昌也氏インタビュー【前編】

新刊『僕が学んだゼロから始める世界の変え方(扶桑社)』を発売したばかりの、NPO法人テラ・ルネッサンス創設者の鬼丸さんのインタビューを掲載します。インタビューしたのは今年の2月と少し昔なんですが、中身は古びてございません。どうぞお楽しみください。

鬼丸昌也氏
1979年、福岡県生まれ。立命館大学法学部卒。高校在学中にアリヤラトネ博士(サルボダヤ運動創始者/スリランカ)と出逢い、『すべての人に未来をつくりだす能力がある』と教えられる。2001年、初めてカンボジアを訪れ、地雷被害の現状を知り、「すべての活動はまず『伝える』ことから」と講演活動を始める。同年10月、大学在学中に「全ての生命が安心して生活できる社会の実現」をめざす「テラ・ルネッサンス」設立。2002年、(社)日本青年会議所人間力大賞受賞。地雷、子ども兵や平和問題を伝える講演活動は、学校、企業、行政などで年100回以上。遠い国の話を身近に感じさせ、一人ひとりに未来をつくる能力があると訴えかける講演に共感が広がっている。

経常収益9,000万円のNGO代表は、英語が喋れない

鬼丸: どうもイケダさん、遅くなりました!

イケダ: いや、ぜんぜん遅くなってないです、5分前です(笑)

鬼丸: ちょっと買ってきますね!

(コーヒーを買いにレジにいく鬼丸さん)

鬼丸: お待たせしました。

イケダ: というわけでありがとうございます! いきなりなんですが、年次報告書を見て驚いたんですが、テラ・ルネッサンスってすごい規模なんですね。やっていることは存じ上げていましたが、経常収益で年間9,000万とは・・・これって業界的に見てもかなり大規模ですよね。

鬼丸: そうですね、歴史ある国内のNGOや外資系の大手のNGOを除けば、中堅というところでしょうか・・・。地方でやっているという軸も加えると、規模としては大きい方だと思います。

イケダ: テラ・ルネッサンスはいくつか事業を展開していますよね。読者に向けて、まずはぜひ事業について詳しくお聞かせください。

鬼丸: はい、まずは啓発事業です。大学4年、21歳の頃に立ち上げました。なぜ始めたかというと、たまたま大学三年のときから阪神大震災のボランティア団体に所属していて、その団体がアジアの問題にも取り組むということで、カンボジアの地雷原に対する取り組みをしていいたんです。

僕にとって、地雷原って「音のない世界」なんですよ。生活音があるけれど、地雷原は息づかいと探知機の音しかしないんです。

何かしたいと思ったけど、学生だったのでお金もありません。もともと新聞奨学生をやったり、カラオケ屋で住み込みバイトをしていたくらいです。金もない人脈もない。さらに、英語はまったく喋れない。英語に関しては今も喋れません(笑)

イケダ: えっ、マジですか? 英語ペラペラだと思っていた、というかNGO代表で英語が喋れないってすごいバックグラウンドですね。

鬼丸: そうなんですよ(笑)いつもは通訳をしてくれる仲間がいるんですが2004年にザンビアの調査にいったときなんかは、あの、入国審査は一対一じゃないですか。で、なぜかよくわからないけどザンビア人の審査官がブチ切れていて(笑)

焦って出てきた言葉が「I love you.」。で、入国OKになりました。

イケダ: いやー、衝撃を受けています。なんとかなっちゃうもんですね・・・。NGOといえば英語ペラペラ、みたいなイメージというか固定観念がありました。

鬼丸: 啓発事業の話を絡めると、「できないこと」をつぶしていくと、「できること」にスポットが当たるんです。ぼくの場合は、それが「伝えること」でした。英語ではなく(笑)

カンボジアから帰ってきて、2001年から報告会で伝えることをはじめました。当初は10人くらいからのスタートで、クチコミで広がって、年間90回やりましたね。そのなかで寄付をしてくれる人も集まって、じわじわ成長してきた感じです。今は、テラルネッサンスは私を含めて、昨年度で年間126回の講演をしています。

イケダ: 啓発事業の収入が1,400万近いですが、それも納得ですね。いや、すごい。

鬼丸: えぇ、講演はひとつの事業になっています。僕の「できること」がそこだったのがよかったんです。

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