地政学的リスク高まり、「初動」で円が買われた為替市場の今後を読む
内乱で混迷するイラク   photo Getty Images

足許の為替市場は、イラクやウクライナ情勢など地政学的リスクの高まりによって、先行きの読みにくい展開が続くことになると見る。イラク、ウクライナともに情勢は緊迫化しており、短期的には金融市場に大きな影響を及ぼすことになる。

イラクでは反政府軍の一部が首都に進撃しており、マリク政権の基盤が揺らぐことも考えられる。それに呼応して原油価格は上昇傾向を強めている、原油価格がさらに強含むようだと、主要国の経済にもマイナスの影響が出るはずだ。

一方ウクライナでは、親ロシア勢力がウクライナ軍機を撃墜し、多数の死傷者が出た。これによって、ウクライナを巡る情勢は一段と厳しさを増すことになるだろう。ロシアと欧米諸国の対立が高まり、天然ガスなどエネルギー価格にも影響が出るだろう。

円買いは地政学的リスクに対する初動動作

地政学的リスクが高まると、一般的に投資家は保有するリスクを減らす行動に出る。具体的には、リスクの高い株式や為替などのポジションを縮小する。今回も、リスクの高まりに対する初動動作としては、リスク資産の保有を絞る行動が見られる。

リスク資産減額の一つ、為替市場で安全資産と見られる円買いの動きが出た。その背景には、ヘッジファンドなどの投機筋がドル買い・円売りのポジションを持っていることがあった。

リスクを絞るために、一部の投機筋などが保有ポジションのアンワインド=手仕舞いに走ったと見られる。彼らは買い持ちになっていたドルを売って、売り持ちになっていた円を買い戻すため、一時的に円高・ドル安方向に動いた。

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