ブルーバックス
『高校数学でわかる流体力学』
ベルヌーイの定理から翼に働く揚力まで
竹内 淳=著

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飛行機は、やっぱり『ベルヌーイの定理』で飛んでいる!
流体力学の、最も易しい入門書

 水理学や航空力学はもちろん、船や海洋、さらにはエンジンや油圧、配管など、気体・液体を扱う全ての分野で、流体力学は必須です。、また、理系好きの読者にとって、流体力学憧れです。そこで本書では、流体力学の基礎的な理解から、飛行機の飛ぶ原理として有名は「ベルヌーイの定理」の完全理解を目指します。

はじめに

 流体力学の対象は、私たちの身近なところにあります。空気の流れである風や、川の水流は代表的な対象です。このうち、川の流れの制御は、大河の流域付近に誕生した古代の四大文明のころから最も重要な政治的課題の一つでした。この「治水」は長い歴史を持っていますが、治水にもかかわる近代的な学問である水理学や水力学が発達したのは18世紀に入ってからでした。

 現代では、水の流れだけでなく、空気の流れや、様々な液体や気体の流れを対象として流体力学が活躍しています。人間が作り出すクルマや航空機、船などの設計では、空気抵抗や水の抵抗を減らすことが求められますし、航空機の設計では航空機を浮かび上がらせる揚力の計算が必要です。また、風や水流にさらされる各種の構造物、たとえば、ピルや橋、堤防の設計にも流体力学が必要です。さらには目立たないところでも流体力学は大活躍しています。それは、クルマ、船、航空機、工場、都市などの中の様々な配管の内側です。流れているのは、水の他に、油、蒸気、化学物質など様々です。人類が地球の表面付近で生活し、現代文明を維持発展させるためには、流体力学の知識は不可欠であるわけです。

 さて、このように重要な流体力学ですが、その中身の理解は、必ずしも容易ではありません。本書を手に取った読者の中には、大学レベルの教科書や参考書を何冊か読んでみたが、どうも中身を理解できなかったという方もいらっしゃることでしょう。本書は、流体力学を学んでいく過程で、特に初学者にとって理解が難しい箇所を意図的に含む構成にしました。たとえば、ベルヌーイの定理の物理的概念や、2次元翼の理解に不可欠のジューコフスキー変換、それに応力と粘性の関係などです。本書は、これから流体力学を学び始める方だけでなく、流体力学の学習を試みてつまずいてしまった方にもお役にたてることでしょう。ところどころ数学のレベルが上がるところがありますが、紙とペンを用意して手計算で確かめていただくと、理解が容易になると思います。本書を読破して、「おわりに」までたどり着いたとき、流体力学の基本的な流れが脳内を滑らかに循環していることでしょう。それでは、流体力学の旅に出発しましょう。

著者  竹内 淳(たけうち・あつし) 
1960年徳島県生まれ。1985年大阪大学基礎工学研究科博士前期課程修了。理学博士。富士通研究所研究員、マックスプランク固体研究所客員研究員などを経て、1997年早稲田大学理工学部(現在は先進理工学部)助教授、2002年より教授。専門は、半導体物理学。著書に『高校数学でわかるマクスウェル方程式』『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』『高校数学でわかる半導体の原理』『高校数学でわかるボルツマンの原理』『高校数学でわかるフーリエ変換』『高校数学でわかる統計学』『高校数学でわかる相対性理論』(講談社ブルーバックス)など。
『高校数学でわかる流体力学』
ベルヌーイの定理から翼に働く揚力まで

著者:竹内 淳

発行年月日:2014/06/20
ページ数:256
シリーズ通巻番号:B1867

定価:本体900円(税別)
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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)