雑誌 企業・経営
外国製の家電も、日本製の部品や素材がなければつくれない。「日本の隠れた強さ」を象徴するメーカーとして世界に貢献したい。
DIC 中西義之

世界的な化学メーカー、DIC。創業は1908年。長く「大日本インキ化学工業」の名で知られ、'08年に社名を変更した。旧社名の通り、印刷インキの分野では世界No.1。ほかにも液晶画面に使う三原色の顔料や、食品に使う天然色素など、多数の製品を世界各国の企業へ販売する。2012年に社長へ就任した中西義之氏(59歳)に話を聞いた。


なかにし・よしゆき/'54年、東京都生まれ。'78年に早稲田大学商学部を卒業し、大日本インキ化学工業(現DIC)へ入社。'91年よりインドネシアの子会社、P.T. PARDIC JAYA CHEMICALSに4年間出向。執行役員として経営戦略部門などを歴任し、'12年4月より現職。連結売上高7000億円超、社員約2万人の企業をたばねる ※DICのwebサイトはこちら

日進月歩

技術はどんどん進化しています。たとえば「プリンテッドエレクトロニクス」。電気を通す素材を、印刷機を使って基板などにプリントすることで、電子機器に使う部品を超小型化、低コスト化できるよう、研究を進めています。また、樹脂も進化しています。色や堅牢性だけではありません。

最近は電子機器の性能が上がっている分、機械が熱を出すようになっているんですね。これも弊社の化学技術を活かし、耐熱性、放熱機能に優れた樹脂がつくれないか研究を進めています。

青い食品

チョコレートのコーティングや、ソーダ味のアイスやミント味のガムに青色の着色料が使われることがあります。あの色、弊社製の色素はナチュラルな素材からつくられています。「スピルリナ」という藻を培養し、色素を抽出しているんです。今、食品に使用される合成着色料は、天然系色素へと切り替えが加速しています。

積極性

私は東京の板橋区出身です。子供の頃、モノづくりが好きで、プラモデルをつくったり、ほしいものを木工細工でつくったりして遊んでいました。砂でパチンコの台のようなものをつくり、玉がどこに入ったら何点と決め、友達とビー玉のやり取りをしていましたね。勉強は苦手でしたが、ほか、メンコやベーゴマに関してもアグレッシブでした(笑)。

ギター流し

私が高校生のときは、とにかく「ギターを弾けるとかっこいい」という雰囲気があり、私自身、ご飯を食べるときもギターを話さないほど夢中になりました。ビートルズや吉田拓郎を弾いていたんですが、当時は学生だからいいギターが買えなかったんです。最近、せっかく大人になったんだから、と買ってはみたものの、結局、ただの飾りと化してしまいました。でも、何か聞かせてくれと言われれば流し風の演歌語り弾きで「北の旅人」などが弾けますよ(笑)。

海外赴任 インドネシア赴任からの帰国前、現地社員が送別会を開いてくれた。海外ではよくカラオケや旅行を楽しんだとか。右から2人目が中西氏

運命

就職活動のとき、じつは、金融関係を中心に受けていたんですが、そっちは全部落ちてしまったんです。しかし弊社に入って営業として現場に配属されると、若いうちから一定の権限と責任を与えてくれたためか、仕事が楽しくて仕方なかった。営業は、モノを買っていただく立場だから、図式で言えばお客様が目上には違いない。でも「パートナー」になって、お客様のためにアドバイスできるようになると、商売は上手くいくと思います。