東京医大と大成建設の450億円新病院建設工事疑惑は、なぜ不起訴で終結したのか

2014年06月19日(木) 伊藤 博敏
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「大成建設に受注協力すれば450億円の1%を還元」

東京医大の有力理事らと大成建設との癒着が目に余るとして批判的な飯森氏に対し、2012年6月頃、不倫疑惑を記した怪文書が全職員のところに送られる。それと連動するように、飯森氏の女性スキャンダルを問題視した右翼団体正氣塾が、7月18日から街宣活動を始めた。

その直後、大成建設の多田副社長が飯森氏に「お会いしたい」と面談を求め、2人はホテルオークラの「山里」で会談する。その模様を、飯森氏はICレコーダーに記録していた。その際、多田氏は「大成への受注協力」を持ち掛け、飯森氏が誘導するように「力になれば、なにかいいこと(ニンジン)があるの?」と聞くと、「450億円の1%を、合法的なコンサルティング会社を通して還元したい」と、勧誘した。

一方、正氣塾の攻撃が続いていることを憂慮したという東京医大OBの岡田重慶氏が、8月3日に大学を訪れ、その場にいた正氣塾を牽制すると同時に、「大成の多田副社長に止めてもらおう」と提案。8月7日、2人で西新宿の大成建設本社を訪れた。多田氏は、「飯森先生が辞表を書けばなんとかなる。右翼団体を止める費用は、私どもでなんとかする」と、請け合った。

岡田氏と多田氏の「辞表を書いたら丸く収まる」という趣旨の説得工作が続いたものの、飯森氏は「理由がない」と拒否。

すると多田氏は、8月10日、電話で「街宣車にはおカネを払ったのでいいが、辞表がダメなら、正氣塾と連動する形で飯森攻撃を始めた右翼団体の敬天新聞に詫び状を書いて欲しい」と、要請した。飯森氏が「書く理由がない」と断ると、「彼らは、今後、なにを書くかわからないですよ」と、脅した。

この20分間のやりとりを飯森氏は録音していた。

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