アマゾンのスマートフォンは何のために使われるのか?
〔PHOTO〕gettyimages

オンライン小売大手のAmazon.com(以下、アマゾン)が米国時間の今月18日、独自開発のスマートフォンを発表すると見られている。

ここ数年のアマゾンは、タブレット端末の「Kindle Fire」やスマートTVの「Fire TV」、さらに最近ではスティック型端末の「Dash」など、ハードウエアの製品開発に注力する姿勢が目立っている。特にDashは、ユーザーがパソコンを起動しなくても、自分の声やバーコード・スキャンでどこからでも商品を注文できることから、高い関心を集めた(ただし年会費299ドルのAmazon Freshというサービスの一環として使われる。また日本では、まだ利用できない)。

3D機能は「物品」のオンライン販売のためではないか

今回、その延長線上でリリースされるスマートフォンは、かなり高度な3D表示機能が搭載される見込みだ。まだ実機を見たわけではないので正確な事は言えないが、今年4月のWall Street Journal記事などによれば、一種のホログラムのような立体映像がスマホ・ディププレイ上に浮き上がって見えるという。

●"Amazon Preparing to Release Smartphone" THE WALL STREET JOURNAL, April 11, 2014

こうしたことから、アマゾンのスマホは特に(3D機能を駆使する)ビデオ・ゲームに適していると見られる。が、それ以上に同社が狙っているのは、一般消費者にスマホ上から様々な製品を一種、衝動買いのような形で買わせることではないだろうか。

恐らく、このスマホから何らかの商品名やカテゴリー名などで検索すると、自動的にアマゾンの各種サービス(ウエブ・サイトやアプリ)へと導かれるのだろう。そこに商品(たとえばグラス、茶碗、皿など、四方八方から眺め回してから買いたい商品)のリアルな立体映像が浮き上がって見えて来るなら、ユーザーがついつい商品を注文してしまう可能性は高まる。

もちろん自社製スマホの発売と同時に、アマゾンが自らのサービス上で、各種商品の3D表示機能を用意するとは限らない。しかし同端末に対するユーザーの反応などを見ながら、徐々に3D機能を整備していくことはあり得る。

(仮定に仮定を重ねるようで恐縮だが)仮に、こうしたスマホが本当に発売されて、しかもユーザーに受け容れられれば、それはグーグルにとって大きな脅威となるだろう。なぜならスマホの検索画面から直にアマゾンのサイトに飛び、そこから即、商品を買われてしまえば、そのプロセスのどこにもグーグルのサービスが入り込む余地はないからだ。これは特に検索連動広告を収益の柱とするグーグルには、大きなダメージとなるのではなかろうか。

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