株式売買の取引時間延長めざすJPX東証の本音は「取引所外取引」潰し!?
取引時間延長に前のめりなJPX東証                                                            photo Getty Images

表立って批判する向きは少ないものの、東京証券取引所が進める「取引(売買)時間延長」構想に、一部のネット証券を除いて、証券界の大半が苛立ちを募らせている。

「利用者ニーズに応える」という美名の下で、すでに取引時間の延長を実現している“ダークプール”や私設取引システム(PTS)を利用した売買に代表される「取引所外取引」を締め出して、かつてのように株式取引を独占したいという東証の本音が透けて見えるからだ。

加えて、諸外国の実例からみて、「取引時間を延長しても、東証が主張するほどの株式取引の拡大は見込めない」(米国系証券)とあって、証券各社としては、投資のリスクに頭を悩ませているらしい。

本当に、投資家の利便性を高めたいのならば、他に工夫の余地があるのではないだろうか。

「夕方案」と「夜間案」でJPXは前のめり

「取引時間延長」論議の発端は、東証と大証の経営統合で誕生した日本取引所グループ(JPX)が今年1月末に、「現物市場の取引時間拡大に向けた研究会」(座長・川村雄介大和総研副理事長)を設置したこと。JPXの斉藤惇代表執行役グループCEO は同日の定例記者会見で、「多くの人が取引したいとおっしゃれば、取引所としては、ある程度それに応えなければいけないという使命もある」と導入に前のめりの姿勢を明らかにした。

東証の1日当たりの取引時間は、現在、午前と午後に各2時間半ずつ、合計で5時間だ。これが、アジアや欧米の主要な証券取引所と比べて短いのは事実。

ちなみに、東証によると、主要取引所の取引時間は、香港(5時間半)、韓国(6時間)、ニューヨーク(6時間半)、シンガポール(8時間)、ロンドン(8時間半)という。

そこで東証は、同研究会に対し、現在は午後3時で終わる取引を午後5時ごろまで延ばす「夕方案」と、いったんは閉めておいて午後9時以降に再開する「夜間案」の2案を提示。今年2、3月の2カ月程度の短期の審議で結論を出すよう諮問した。

新聞報道によると、同研究会で、いち早く「夜間案」の支持を表明したのは、株式のインターネット取引を主体とするネット証券の一部だ。特に、松井証券の松井道夫社長らが、「(夜間案のいう)夜なら日中に仕事をしている人が参加できる」と、援護射撃をして、東証を喜ばせたとされる。

この業態の証券会社は、すでに夜間のネット取引を行っていることから、東証の取引時間によって、昼間は仕事を持つサラリーマン・デイトレーダーの取引が増えれば、自社の経営にとって追い風になるとの判断が働いているらしい。

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