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[サッカー]
風間八宏×二宮清純<前編>「大久保はトップで起用を!」

W杯スペシャル対談

2014年06月13日(金) スポーツコミュニケーションズ

強気で臨めるザックジャパン

二宮: ブラジルW杯が開幕しました。日本代表のグループリーグ初戦、コートジボワール代表戦は日本時間15日。そこで今回は川崎フロンターレの風間八宏監督を迎え、Jリーグの現場から見たザックジャパンへの期待、日本サッカーの可能性についてお話を伺います。まず、今回の代表メンバー23名についての印象は?
風間: すごく期待が持てますね。これまでの日本代表は「最終的にはフィジカルが課題だ」と言われていました。そのフィジカルの課題を具体的に突き詰めると、主にディフェンスの部分を指していたと思われます。

二宮: 1対1の勝負や、パワープレーになった際に体格差やパワーで相手に押し切られてしまうとの懸念ですね。
風間: ところが、今回、そんな指摘はあまりありませんよね。つまり、サッカーが受け身ではなくなった。相手のマークを外してフリーになれる選手が前線に多く、アイデアも豊富。これをうまく生かすチームづくりができているのではないかと思います。

二宮: 今回、8人もFW登録したのは、アルベルト・ザッケローニ監督のメッセージでしょうね。現に直前のコスタリカ代表戦、ザンビア代表戦では先制されながらも逆転勝ちを収めました。
風間: 最終的にはサッカーは点を獲らないと勝てません。やっぱり点が獲れないチームは、不安要素が大きくなります。点が獲れれば、少々やられてもやり返せますから、今の日本代表は本番に向けて強気でいけるのではないでしょうか。

二宮: ザッケローニ監督は「リアクションサッカーに徹するのではなく、自分たちのやりたいものを出せる選手を選考した」と発言しています。これまでの日本代表は世界と戦う上で前回大会の岡田ジャパンしかり、どうしてもリアクションサッカーを選択せざるを得ませんでした。そこからの脱却を宣言し、実践しようとしているわけですから期待が持てます。
風間: アクションとリアクションとよく言われますが、その意味は曖昧です。一般的には積極的に攻めることが“アクション”で、消極的にまず守りを固めるのが“リアクション”ととらえられますが、守っていても相手のボールに対して“アクション”を仕掛けることはできますし、攻めていても相手の守りに合わせてボールを持たされているだけなら、“リアクション”になってしまう。極論を言えば、サッカーはアクションとリアクションが繰り返される競技です。重要なのは、その繰り返しの中で90分間でどのように点を獲り、勝つか。アクションかリアクションか、という議論は個人的にはあまり意味がないように感じます。

二宮: それはおっしゃる通りです。アクションとリアクション、攻撃と守備はサッカーでは一体。分けて考えるものではないでしょう。敢えて言いかえるなら、これまでの日本は欧州、南米の列強に対しては受動的にならざるを得なかった。相手の特徴を徹底的に研究して、その動きを封じることに主眼が置かれていたように感じます。しかし、今回の代表は自分たちで主導権を握り、ゲームを動かしていく。非常に能動的ですね。
風間: 相手がどう来ても、自分たちの思ったプレーができる。選手たちも観る側も楽しいサッカーをグラウンドで表現できるのではないでしょうか。そして、それが一番、勝利に近づくための方法だと僕は考えます。今回の代表はそれが可能な選手たちがたくさん集まっている。本番が楽しみですよ。

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