経済の死角

バーバリーに逃げられた!名門・三陽商会の「苦悩と決断」売り上げの半分を失う……会社は大丈夫なのか

2014年06月16日(月) 週刊現代
週刊現代
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「自社でやるから、御社はもう必要ない」。約半世紀にわたる盟友から突きつけられた三行半。「それでも大丈夫」と強気な経営幹部を見て、社内は余計に騒然。絶体絶命のピンチは、突然やってきた。

「本業喪失」の危機

「バーバリーから契約打ち切りを迫られているのは社員ですらわかっていたのに、経営陣はバーバリー後について本気で対策を打ってこなかった。それでいて交渉の過程は社員に知らせずに、バーバリーに逃げられることが決まったこの期に及んでも、他の事業で補えば3年ほどで業績は回復できると夢のようなことを語っている。もうこの会社に未来はない。私もバーバリーみたいに会社から逃げ出すつもりです」

ある現役社員がこう憤れば、別の中堅社員も次のように語る。

「社員の私が言うのもなんですが、いますぐ大規模なリストラをしないと会社存続の危機になりかねない。それなのに、経営陣は経営責任を取らされると思って、『リストラをするつもりはない』と言っているんです。自分たちはあと数年役員報酬をたっぷりもらって高額の退職金を受け取って、逃げ切るつもりなんでしょう」

真っ白なタイル敷きの床、壁には趣ある巨大絵画が飾られており、シンプルながら瀟洒な雰囲気が漂う。受付は「電話だけ」といういまどきの最先端オフィスとは違い、入り口には2人の受付対応の女性が座る。防衛省から目と鼻の先、東京・新宿区に立つ三陽商会本社ビルを訪ねると、名門企業らしいシックな雰囲気を醸し出していた。

しかし、そんな落ち着いた佇まいからは想像もできないような騒ぎが勃発し、同社内ではいま1943年の会社設立以来、最大級の混乱が巻き起こっている。

事の発端は5月19日、三陽商会が会見を開いて、英バーバリー社と結んでいた高級ブランド『バーバリー・ロンドン』のライセンス契約が2015年6月で終了すると発表したことだ。

同時に派生ブランドである若者向けの『バーバリー・ブルーレーベル』『バーバリー・ブラックレーベル』についてはライセンス契約を継続するが、「ブランド名からバーバリーの名称は外す」という条件での契約更新であることを公表した。

「三陽商会にとって、バーバリー事業は派生2ブランドも含めて売上高の半分を占めるといわれるほどの主力事業ですが、今後はバーバリーの名を冠した事業が行えなくなる。要は『本業喪失』の危機に陥っている。同社の直近の売上高は1000億円ほど。最悪の場合、そのうち500億円が吹き飛ぶ可能性すらあります」(大手アパレル幹部)

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