【総務 その5】 基礎自治体議会は夜間土日開催の日当制を! 道議会は、責任ある分権国家の経営を!

議会中に居眠りする国会議員や、内輪もめ、権力闘争ばかり繰り返す国会議員を、テレビのニュースなどで見せつけられて、私たちは辟易としてしまう。その国会議員以上に何をしているか分からないのが、地方議員だ。

日本の地方議員は普段何をしていて、何の役に立っているのかを理解している国民は、ほとんどいないだろう。「選挙のときだけ選挙カーで連呼される名前を知っている」「地域のお祭りや運動会には必ず顔を出すだけ」「だけどなんだか偉そうにしている」・・・たいていの国民の地方議員に対するイメージはそんなところだ。

本来、地方議員は、忙しい市民に変わって、市民を代表し、地域に則した政策課題を行政に反映し、行政をチェックすることが本務のはずだ。しかし、実際には、条例案のほとんどは首長によって提出されており、議会が政策立案機能を発揮している事例は少ない。

また、予算や決算を含め、首長が提出する議案の大半は原案のまま可決されており、地方議会は個別の支援者からの陳情窓口となるか、先進的な首長の改革の抵抗勢力となるかといった弊害のほうが大きいと言わざるを得ない。逆に、いたずらに数の多い地方議員を維持するためのコストと労力が自治体の経営を圧迫してしまっているとさえ言えるのが現状だ。

もちろん、優秀で改革マインドを持った地方議員が大勢いることは確かであろう。だが、地方議会の現状に対して、一般の人々からは「地方議会不要論」を支持する声が高いのが実態だ。

今回の100の行動では、地方議会改革を提言する。提言にあたっては基礎自治体と道議会とでその役割が変わってくることを意識している。

1. 基礎自治体議会は夜間土日開催の日当制を!

(1)【議員の選び方】基礎自治体議員は人口1万人あたり1名の基準を設定し、中選挙区制度の導入を! 最低15人から最大でも50人程度に!

基礎自治体は市民に最も近い行政主体であり、廃県置道による分権国家においては、市民生活に直接的な影響を与える行政サービスを主に担う。従い、地方議会を構成する議員には、「普通の」一般的な市民の代表が選出されるような仕組みとしなければならない。

まず、議員の「選び方」だ。基礎自治体議員の選挙に際しては、基礎自治体が20万~40万人規模に再編されることを考慮すれば、それぞれの居住区域から万遍なく選出されるべきだ。このため、現在、多くの基礎自治体で行われている全体を単一の選挙区とする区割りは変更すべきであろう。

現在の制度のような大選挙区制では、一定の基礎票を持った議員がその基礎票(支援者)のみに便宜を図っていれば、連続当選できる仕組みとなってしまう。これも行政を歪める温床であろう。

基礎自治体議員に関しては、人口1万人あたり議員1名程度の上限を設定し、中選挙区制度を導入すべきであろう。中選挙区であれば議員間、候補者間の相互連携が実現しやすく、選挙が変わり政策本位の会派が機能することになる。

但し、人口が15万人未満の合併過渡期の基礎自治体においては、議会を構成するに必要な15人程度の議員を置くことを提言する。人口100万人を超える基礎自治体に関しては、現在の地方自治法では68人(人口110万人以上130万人未満)~100人(人口270万人以上)の上限が設定されているが、新たに人口100万人を超える基礎自治体であろうが、議員の上限を50人とすることを提言する。

(2)【議員の働き方】議会日数を減らし(年間100日)、夜間・土日開催を!

前述の通り基礎自治体議会を構成する議員は、「普通の」一般的な市民の代表が選出されるような仕組みとすることが必要だ。

例えば、多くの地域では市民の多数を占めるのはサラリーマンである。だとすれば、市民の代表としてサラリーマンをしている市民が議会の構成員になることが自然であるはずだが、実際には地方議会議員の大多数は議員専業(または農業・自営との兼業)であり、一般的市民の代表と呼ぶにふさわしい構成になっているとは言いがたい。

これは、ほとんどの基礎自治体において、議会が平日の昼間に開催され、会期も年間100日を超えるためだ。従い、ごく普通の市民が企業勤務などの仕事と議員活動を両立しつつ議員となれるよう、議会の開催日数は年間100日を上限とし、開催日程は、夜間、土日・休日開催を基本とすべきであろう。1年間は約50週間だから、平日夜1回、週末1回開催であれば、ちょうど100日程度となる。

自分の仕事を行いながら土日・休日を行政のために捧げるような議員活動は、真に自らの住む街のことを考える奉仕精神の高い人材でなければ、務まらない。基礎自治体の議会においては、そういった健全な奉仕精神を持った、様々な職業を持つ市民の代表が、議員となり、首長による執行権限の行使を監視・評価していくべきであろう。

(3)【議員報酬の払い方】地方議会はボランティアベースを基本とし、議員報酬は上限3万円の日当制とせよ!

地方議員の中には、選挙目的のためだけの活動に終始していると一般の市民から見られている議員が目立つことは事実だ。これは、議員として専業で生活が成り立つ自治体が多いために、議員になること自体が目的化してしまう構造に問題があるからだ。

欧州諸国では、基本的に地方議員は無報酬である国が多い。

イギリスでは、基本的に給与は支給されず、議員活動に伴う諸経費や諸手当のみだ(例外的にロンドン議会議員には給与が支給されている)。フランス、スウェーデンでも地方議員は原則無給だ。ドイツでも地方議員は少額報酬で、議員がその議員活動によって本業の収入に損失を受けた場合に地方自治体によって補償される仕組みとなっている。イタリアは、出席に応じた日当が支給される制度だ。

一方で日本は、地方都市でこそ市町村議会議員の報酬は低いが、政令市で議員報酬が最高額の横浜市では、議員報酬は月額約86万円で、期末手当がおよそ年間4ヵ月分で年収約1,380万円、これとは別に政務活動費が月額55万円で年間660万円だ。さらに交通費や出張旅費などの名目で支給される費用弁償も昨年復活されている。

この額が高いか低いかの議論は別にして、構造的に議員を生活の糧にすることを目標にしてしまう仕組みが、問題だと言えよう。議員が日当制になれば、そういった構造も是正されるはずだ。実際、福島県の矢祭(やまつり)町では、2008年に議会改革の最終段階として、1日3万円の日当制を導入している。

普通の市民の代表に議会を構成させるため、地方議会はボランティアベースを基本として、上限3万円の日当制(年間100日議会で300万円となる)を提案したい。

これらの改革によって、地方議会の在り方は激変しよう。これまで指摘されてきたような地方議会のゆがみの温床は無くなる。議員のいわゆる「うまみ」は無くなるため、真に市民を代表する人材、健全な奉仕精神を持った人材が地方議会に集まり、選挙の在り方も変わるはずだ。

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