第1回ゲスト:黒鉄ヒロシさん (後編)
「ギャンブルは、酒や煙草と同様に男の文化を語る上で欠かせないものです」

2014年06月24日(火) 島地 勝彦
〔写真〕峯竜也、〔構成〕小野塚久男、〔撮影協力〕Bar ル・パラン

【前編】はこちらをご覧ください。

錚々たる先輩方に導かれ、ギャンブルの世界へ

島地 黒鉄さんの一人遊びについても聞かせてください。

日野 黒鉄先生も若い頃はやはり空砲を撃ちまくっていたのでしょうか。

島地 男はみんなそういうものだろう。

黒鉄 何も知らないほど、妄想は際限なく広がりますからね。空砲は別にして、私は子どもの頃から歴史が好きで、戦国武将一人メンコなんて遊びもやっていました。畳のへりを街道に見立て、カマボコの板でつくった本能寺に向かって進軍する光秀軍。信長の運命やいかに、と、一人で興奮しながら。両親は家業で忙しいし、兄も歳が離れていたので、小さいころからそうやって一人で遊んで楽しむ習慣が身についていましたね。

島地 他人がつくったゲームしか知らない、今の子どもにぜひ教えてあげたい話ですね。あと、黒鉄さんといえばやはりギャンブルでしょう。

黒鉄 これも先輩の導きによるところが大きい。私がおつき合いさせていだたいた先輩には、ありがたいことにと言いますか、運悪くと言いますか、とにかくバクチ好きが大勢いました。こっちでシバレンさんがカードをやっていると思ったら、向こうでは吉行さんが麻雀の手招きをする。さらには、バクチならなんでもござれの阿佐田哲也さんも控えていました。

島地 うーん、錚々たる顔ぶれですね。

黒鉄 いろんな人からギャンブルの魅力を教わりましたが、やはり強く印象に残っているのは阿佐田さんですね。さきほども言いましたように、なんというか、所作に色気がある。例えば、競馬に有り金をぜんぶ突っ込んで負けたときの倦怠感。あるいは麻雀で大負けした相手に対する気づかい。本当にちょっとした仕草や表情なのですが、傍で見ていてぞくぞくするものがあって、勝ち負けよりも何よりも、そういう空気のなかにいることのがギャンブルの愉しみなんだと、教えられました。

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