第1回ゲスト:黒鉄ヒロシさん (前編)
「男の文化は伝承されるもの。我々も次の世代に伝えていかなくてはいけません」

2014年06月17日(火) 島地 勝彦
〔写真〕峯竜也、〔構成〕小野塚久男、〔撮影協力〕Bar ル・パラン

精神の軌跡が濃縮された「男たちの神殿」で

島地 黒鉄さんとは、先日「サロン・ド・シマジ本店」でやった夕刊紙の対談で意気投合して以来、ぜひもう一度会ってじっくりお話ししたいと思っていたんです。かれこれ20年ぶりぐらいでしたよね。そんなに時間が開いていても、まるで昨日別れたばかりのように打ち解けることができるのが男の友情というものです。男女の間柄はそうはいきませんよ。たとえ同棲した仲でも、一年会わなければもう赤の他人も同然ですから。

黒鉄 それにしても、連載対談の第1回目にご招待いただけるとは、恐悦至極でございます。

島地 この前、「サロン・ド・シマジ」の雰囲気が「ぼくの寝室に似ている」とおっしゃったでしょう。あのひと言で「この人とはウマが合う」とピンときました。私の好きなものだけでこしらえた、非常にアクの強い空間ですが、男の成熟度がよくわかる「寝室」に似ているという。気が合わないはずがありません。

日野 なぜ、寝室で「男の成熟度」がよくわかるのでしょうか?

島地 彼は担当編集の日野です。若造ですが、こっちの世界をちょこちょこ覗きたがる奇特な男です。

黒鉄 いい心がけです。その疑問には私からお答えましょう。女の胎内で育まれた男には人工物的なところがあります。程度の差こそあれ、モノに執着する傾向があるのはそのせいでしょう。若い頃はなにかと周囲にひけらかしたがるのですが、歳を重ねるとともに「自分だけの愉しみ」とする部分が増えていくのです。

島地 そう、そう。つき合った女の数を自慢するのは小僧のやることだよ。

黒鉄 寝室はあまり人に見せるものではない、まさに自分だけの空間。そこにカネも手間もかけて、好きなもの、大事なものでこしらえた「神殿」に仕立てあげられるかどうかが、大人の男として重要な部分なのです。

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