経済・財政
「国内株式22%」なら日経平均2万円も。GPIF運用見直し後の株価を推測してみた 

安倍”株価”政権の「GPIF運用見直し」は日経平均を引き上げるか  photo Thinkstock / Getty Images

安倍政権は「株価」を強く意識した政権だ。官邸は、株価を、ビジネスの世界で言うところの「KPI」(Key Performance Indicator)の一つと考えているような節がある。

何と言っても株価に「効く」のは、金融緩和の追加によって、さらに円安に導くことだが、この他に、首相官邸は「3つのG」を手段として考えているようだ。

成長(Growth)戦略のG、企業のガバナンスのG、そして、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用方針見直しの3つの「G」である。

「GPIF運用見直し」には、問題が多い

これらの中で、市場が最も注目し、また政府も期待をかけているように見えるのは、GPIFの運用方針見直し(による株式等の買い増し)だ。あれこれ発表される成長戦略も、「日本版スチュワードシップ・コード」を梃子に使った企業のガバナンス見直しも、それぞれに「株高親和的」な政策で、望ましい面も備えているが、事の性質として株価に対する効果の表れ方はゆっくりで、即効性に乏しい。

これに対して、GPIFの運用方針見直しによるリスク資産の積み増しは、市場におそらく数兆円単位の「買い」の資金が直接投入されるので、即効性があるように見える。

但し、GPIFの資金による株式の買い増しが望ましい政策かといわれると、幾つかの疑問符を付けざるを得ない。

先ず、大もとの問題として、日本の公的年金は賦課方式であり、130兆円に迫る巨額の積立金を持つ必要がない。積立金によるリスク運用は、いわば国民からお金を召し上げて、投資信託を買わせるような奇妙な効果になっている。有識者会議は、積立金を所与のものとしてその運用方針を考えるのではなく、積立金の適正規模を考えるべきだった。根本的な問題を考えてこそ、「有識者」の名に値しよう。

次に、日本の公的年金が株式を買い増すと、主立った日本企業の大株主が実質的に公的機関(つまり政府)になってしまう。この場合、政府は、企業に対する監督者の立場と同時に企業の株主の立場という深刻な利益相反を抱えることになる。

公的年金は、「運用機関に投資先企業の議決権行使を任せるので、民間企業の経営に介入していない」という言い訳は、嘘だ。

GPIFをはじめとする公的年金も受け入れるものと目される「日本版スチュワードシップ・コード」を読むと、「議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資する者となるよう工夫すべきである」(「原則5」の後半)との記述があり、「形式的判断基準」によるのではなく、個々の企業のあり方に踏み込んだ検討と関与が奨励されている。

また、これから検討するように、GPIFのような巨額資金の運用計画の変更は、他の市場参加者に利用されやすい弱点を持っている。

小泉元首相の行政改革に「民間で出来ることは、民間で」というキャッチ・フレーズがあったが、民間で出来るし、民間でやった方が上手く行くことの筆頭が資金運用なのだ。

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