3段階で進む「日本バブル」を乗り切れ!

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2012年12月から突如として始まったわが国政府・日銀による一連の金融・経済政策は一般に「アベノミクス」と呼ばれている。だが私はこれが始まる前の2012年10月に上梓した小著『ジャパン・シフト』(徳間書店)から一貫して、わが国における景気上昇局面のことを「日本バブル」と呼んできた。

それだけではない。「アベノミクス」とは普通、単にデフレ脱却のためにとられた一連の施策のことを指すと考えられている。これに対して私はそれを必然的にもたらした「日本バブル」の構造は、より普遍的なものであると指摘してきた。わが国が国際社会の中心へと躍り出し、やがてはわが国が発信源となる新しい世界秩序へと再編されていく。これが「日本の平和(パックス・ジャポニカ)」である。

3回の資産バブルが起きる

このコラムはそこに至る道のりの一端を分かりやすく示すために書いているものだが、どうやら多くの読者の皆様にとっては「至極納得の展開」とはなっていないようだ。

先日、最新の小著『世界史を動かす日本---これからの5年を迎えるために本当に知るべきこと』(徳間書店)の刊行記念講演会を東京・大阪で開催した。まず私が驚いたのが、いつもより遥かに出席される方が多かったという点だ。「何かが起きる。特にマーケットでは日本株の急上昇が起きるのではないか」と来場者の方は思っていたのであろう。ただ「いま動こう」と決断するまでにはいたっていないようであった。

そこで私は次のように説明した。

「わが国はこれからの5年間で合計3回の資産バブルを経ることになる。『アベノミクス』はその第一段階を引き起すための仕掛けに過ぎない。そしてこれら3回の資産バブルは米欧における動きとは別に、わが国に固有の形で起きる。『日本バブル』と呼ぶのが適当だ」

第一段階の「日本バブル」は円安誘導による日本株の上昇局面を指す。もっともこれも局面だけを見ていたのでは物事の本質を見失う。わが国の「本当の中心」とそれを手伝う財務金融当局が画策しているのは、積み重なる国家債務を事実上のデフォルト(債務不履行)へと追いやり、なくすことである。無論、これを強行するためには踏むべき段階が2つある。その一つを「財政調整」、そしてもう一つを「債務交換」という。表向き説明がまったくなされないので知らない読者も多いだろうが、実はこれが国際金融における確立されたルールなのである。

この内、「財政調整」は2つの段階に分かれている。まずは「無駄な支出を減らす」という意味での事業仕分けを民主党政権時代に終えている。その次に行うべきなのが政府保有資産の売却なのである。ここで国有地と政府保有株を大量に放出することになる。そのためにマネーがわが国のマーケットを満たしている必要がある。金融・経済に疎いはずの安倍晋三首相が「何がなんでも」とアベノミクスに舵を切り、日銀に異次元緩和を強制したことの理由はここにある。

今の私たちは、この第一段階としての「日本バブル」の最終章とでもいうべきところにいる。第二次安倍政権は当初、事実上の「口先介入」によって盛んに為替マーケットを操作し、円安へと誘導した。これによって日本株マーケットは一気に陽転し、日本人皆の顔に笑顔がこぼれた。

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