デジタル広告における地方メディアの「軍師」、OwnLocalの取り組み
地方メディア企業に特化したデジタル広告ソリューションベンダー「OwnLocal」

米国新聞協会(NAA)によると、米国内の新聞社の2013年の総収益は、前年比2.6減の約376億ドル(約3.85兆円)。その63%にあたる約238億ドル(約2.44兆円)が広告収入によるものです。

広告収入の内訳をみてみると、前年に比べて最も落ち込んだのが、紙面広告からの収入。前年比8.6%減の173億ドル(約1.77兆円)で、総収益に対する比率も43%にとどまっています。一方、収益増の兆しをあらわしているのが、デジタル広告収入。収益額は約34億ドル(約3,480億円)と、総収益に対する比率は1割に満たないものの、前年比1.5%増であることから、今後の成長が期待されています。

地方メディアにデジタル広告という新たな収益源をもたらす

このような市場環境のもと、米国の新聞業界では、収益基盤のひとつとしてデジタル広告への注目が高まっていますが、このニーズに特化したソリューションを提供しているのが、「OwnLocal(オウン・ローカル)」です。

OwnLocalは、2010年に米テキサス州オースティンで創設されたスタートアップ企業。地方紙や地方出版社、ローカル局といった地方メディア企業に対して、広告コンテンツのデジタル化を核に、ウェブサイト構築・ウェブデザイン・SEO(検索エンジン最適化)など、様々なソリューションを提供してきました。デジタル対応に遅れをとってきた多くの地方メディアにとって、OwnLocalは、いわば、デジタル広告ソリューションを専門的に開発する“デジタル広告部門”のような位置づけといえるでしょう。

OwnLocalのソリューションで最も特徴的なのが、新聞広告やテレビコマーシャルなどの広告コンテンツからデジタル広告を自動的に生成する機能。ここで生成されたデジタル広告をベースに、ランディングページの開設やウェブサイトの構築、SEO対策、オンラインディスプレイ広告の出稿など、広告主の個別ニーズに合わせたソリューションを提供していきます。また、OwnLocalでは、メディア企業の営業スタッフに研修を実施するなど、デジタル広告ソリューションを販売するための知識やノウハウを積極的に共有しています。

About OwnLocal from Lloyd Armbrust on Vimeo.

OwnLocalのクライアントは、ペンシルベニア州フィラデルフィアの「ザ・フィラデルフィア・インクワイアラー(The Philadelphia Inquirer)」、米カリフォルニア州南部の「オレンジ・カウンティ・レジスター(The Orange County Register)」、コロラド州デンバーの「ザ・デンバー・ポスト(The Denver Post)」など、全米にわたり400社以上にのぼります。これら地方メディア企業は、依然として地元に強い影響力を持つ一方、デジタル分野での知見やノウハウに乏しいのが課題。OwnLocalのソリューションは、この課題を解消し、地方メディアにデジタル広告という新たな収益源をもたらすものといえそうです。

地方メディアにとっては、地域住民に向けて地域の幅広いニュースを正しくわかりやすく伝えるのみならず、地元の商店や企業に露出の場を提供し、潜在顧客とつなぐことも、大切な役割のひとつです。OwnLocalのソリューションは、地方メディアを通じて、地方の商店や企業に、より多様な広告手段を提供するものであり、ひいては、間接的ながら、地域経済の活性化にも寄与するものといえるでしょう。
 

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