テレビ局はネットの普及によって圧倒的優位性を失った事実を受け止めるべき!
パナソニックHPより

2011年に地上波のデジタル化が完了したと思ったら、早くも巷の話題は4Kテレビに移った。4Kテレビは現行のフルハイビジョンより4倍の高解像度を持つ。

それどころか、家電メーカーは、8Kや16Kのテレビの開発を進めている。技術革新はとどまるところを知らない。テレビ局などの既存メディアは後追いするのがやっとだ。

「ニューメデイア時代なんて、本当に来るんでしょうかね」

ある民放のカリスマ経営者が、こう漏らしたのは1990年代半ばだった。放送記者を相手にした月例記者会見でのことだ。このトップは新しいメディアの定着に懐疑的だった。実のところ、その会見場の片隅にいた筆者も同じ考えだった。既存メディア側の人間の多くがそう思っていたはずだ。その読みが大外れしたのは言うまでもない。

ネット世代には原始時代の光景に映る、かつてのメディアの形

今やネットの世帯普及率は約9割。BS放送の視聴が可能な世帯も約8割に達している。CS放送やケーブルテレビも贅沢品ではない。高校生に限って言えば、スマートフォンの所有率は約8割にもなる。

既存メディア側の旧世代人が読みを大外しした言い訳をさせてもらうと、まず、80年代から90年代にかけ、電話回線を使ったキャプテンシステムが大失敗した。91年に開局したWOWOWも苦戦続きだった。

ネットの未来にも暗雲がたちこめていた。90年代まで、通信コストがべらぼうに高かったためだ。40代以上の人なら記憶にあるだろう。通信速度も絶望的に遅く、一枚の画像を見るだけでも一苦労。携帯電話の加入料も約18万円して、通信料金もやはり高額だったから、モバイル端末で動画を見るなんて、『ドラえもん』の世界に過ぎないと思っていた。