日本版IFRSは国際会計基準として認められない! 
守旧派企業も経営の国際化へ待ったなし

                                                                                          photo thinkstock /Getty Images

「『日本版』はIFRSと認めず 国際会計基準審」。6月6日の日本経済新聞朝刊に載った小さな記事が、企業の財務担当者を驚かせている。

「のれん」と「リサイクリング」を除外する日本版

金融庁の企業会計審議会は昨年6月、国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針を公表し、日本企業に国際会計基準IFRSの利用を促す一方で、IFRSの一部の基準を削除・修正する「日本版IFRS」を作成する方針を示した。

日本基準にIFRSを取り込んでいくことで、国際的にIFRSと同等と見てもらえる基準を作ろうという発想だった。すでに、日本の会計基準を作る民間組織である企業会計基準委員会(ASBJ)で策定作業が進んでいる。

審議会で日本版IFRSの策定が浮上したのは、純粋なIFRS(ピュアIFRS)の受け入れに抵抗してきた経団連企業を「納得させるため」(金融庁の幹部)。IFRSの基準策定の過程で日本が発言力を確保するには、日本がIFRS採用に前向きだという「姿勢」を示すことが不可欠だと金融庁は考えていた。そのためにも、反対企業を納得させる必要があったのだ。

IFRSの基準作りを担う国際会計基準審議会(IASB、本部ロンドン)も、昨年6月の段階では「日本版IFRS」の策定に理解を示していた。企業会計審議会の昨年の「当面の方針」にも、「削除又は修正する項目の数が多くなればなるほど、国際的にはIFRSとは認められにくくなる」という指摘があり、仮に修正するとしても「ごく一部」というのが「お互いの共通認識」だった。

日本のASBJではこれを踏まえて、日本版IFRS策定に当たっての除外項目を「のれん」と「リサイクリング」に絞ってきた。

「のれん」とは、M&A(企業の合併・買収)をおこなった場合に生じる、買収した企業の帳簿上の資産価格と買収価格の差。日本基準では一定期間でこれを費用として償却することになっているが、IFRSでは定期での償却はせず、実際に資産価値が目減りした段階で損失を計上する方法を取る。この会計基準に経団連企業が反対しているのだ。

また、「リサイクリング」とは、企業どうしや企業と銀行が相互に株式を持つ「持ち合い株」について、日本基準では売却した場合には利益として計上できるが、IFRSでは認められていない。これについても大企業の中に反対論がある。

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