サッカー
ブラジルW杯で示される現代サッカーの方向性とは
開幕戦が行われるアレーナ・デ・サンパウロ 〔PHOTO〕gettyimages

4年に1度開催されるワールドカップは、世界チャンピオンを決める戦いの場でありながら、世界のサッカーの方向性が示される機会でもあります。ブラジルを舞台とする今回は、どのような意味合いを持つ大会となるのでしょうか。

組織を崩すことができるのは「個」の力

現代サッカーは、戦術面においてすでに成熟しています。4年間の南アフリカ大会ではスペインのパスサッカーが世界の頂点を極めましたが、いまやパスをまわすだけでは難しくなっています。それだけに、組織を破壊する「個」が輝く大会になるのでは、というのが私の考えです。数的不利の局面に立たされても、独力で切り崩す個人の力が問われることでしょう。

そこでは、あらゆる意味でスピードが求められます。

長い距離をスプリントする。マークを外す。身体をぶつけられても突破する。攻撃から守備、守備から攻撃へと切り替える。こうした動きをスピーディーに行う「個」の力によって、組織を崩すことができるのです。素早く適切な状況判断も欠かせません。

また、組織化された現代サッカーでは、ピッチを広く使えるかどうかが試合運びのポイントになります。言い換えれば、タッチライン際の攻防を制したチームが、より優位に立てるということです。

ここでもカギを握るのは「個」の力です。サイドから仕掛け、相手の組織を乱す選手を擁するチームは、試合の主導権を握ることができるでしょう。

〔PHOTO〕gettyimages

13-14シーズンの欧州チャンピオンズリーグを制したレアル・マドリード(スペイン)は、スピード豊かなアタッカーを揃えています。ブラジル・ワールドカップにも出場するポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド、アルゼンチン代表のアンヘル・ディマリアらは、カウンターを成立される強烈な「個」となっています。

世界的なスター選手がズラリと並ぶレアル・マドリードも、カウンターアタックとリスタートを重要な得点源としています。もはやパスをまわして相手を崩すだけでは、欧州の頂点に立つことはできません。

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