「対話とは、共鳴のポイントを探るプロセスだ」---忙しい現代社会に日常を問い直す余白をつくるユニット「対話部」

佐藤 慶一 プロフィール

やや抽象的に対話部のなりたちを紹介してきたが、昨年12月に開催した「対話の展示−揺らぐ未来を踊り続けるための9つの問い−」というイベントについても紹介する。amuを会場に、3人が考えた9つの問いが作品として展示されているというものだ。

入口には冒頭の写真にある、「今、あなたが、本当に問い直したいことは何ですか?」という問いが、会場に足を踏み入れると「あなたにとって生きるに値する未来とは?」「あなたに影響を与えた一冊は?」「いま、芸術の役割とは?」などの問いが迎えてくれた。

「対話の展示」では、「問い」が作品として展示されている。

展示された問いが引き金となり、参加者同士の対話を誘発する。筆者も参加したのだが、忙しく過ごしていると、問うことのないだろう問いに集中することは、エネルギーを使うことだった。

日常の隙間に普段と違うコミュニケーションを入れていく対話部のメンバーは、普段から常に対話モードだという。「普段起こることに、対話的なスタンスで臨むことがある」と古瀬氏。暮らしのなかでもどんどん問いが生まれてくるそうだ。

中岡氏は「忙しく過ごしていると、問いに気づかず、考える時間もほとんどありません。問いについて人と話している時間と、忙しない時間を過ごすこと。忙しない時間が流れているほうがいいと思います」と自らのスタンスを語る。