欧州中央銀行がつけた金利マイナス0.10%の影響
マイナス0.10%の金利を発表した欧州中央銀行のドラギ総裁                           photo Getty Images

6月5日、欧州中央銀行(ECB)は、政策金利を0.25%から0.10%下げて史上最低水準の0.15%とした。それと同時に、金融機関がECBに預ける預金に関して、マイナス0.10%の金利を付けると発表した。

今回のECBの政策変更の背景には、リーマンショック以降の経済低迷が続いていることに加えて、インフレ率が目標値である2.0%を大きく下回る状況が続いていることがある。そうした状況は、かつてのわが国でも起きた現象で“日本病”とも呼ばれる。

ECBとすれば、思い切った政策を実行することによって、欧州圏経済が“日本病”に落ち込むことを避けたいとの考えがあったとみられる。しかし「今回の措置で欧州圏の経済が大きく盛り上がる可能性は低い」との見方が優勢だ。

日本病の淵にいる欧州経済

現在の欧州経済を一言で表すとすれば、まだバブルの後始末が終了していない状況といえる。2000年代中盤の世界的な不動産バブルが崩壊した後、欧米諸国は不良債権の処理や企業のリストラを行った。

しかし、後始末のプロセスが遅れている欧州諸国は、まだ金融機関の不良債権処理などが終了していない。そのため、欧州圏の金融機関の機能がすべて回復したわけではない。金融機能が低下すると、経済は足を引っ張られることになる。

そうした状況を考えると、ECBは、マイナス金利など思い切った政策を打たざるを得ないところに追い込まれているとみるべきだ。問題は政策効果なのだが、今回の措置はかなり織り込まれており、早晩、さらなる政策が必要になるとの見方が大勢だ。

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