【総務 その4】 5つの行動で「同時多発的」な自治体改革を!

「中央政府が日本を改革できないならば、大統領的な権限を持つ首長が、地域から改革をしよう。『同時多発的』に各地で改革を行えば、日本は変わるはずだ」

G1サミットに参加する首長が「G1首長ネットワーク」を組成し、5つの重点分野を列挙し、役割分担をして、地方からの改革が始まった。2012年のことである。

このネットワークは現在、10県知事11市長によって構成され、年に2回の合宿での本音の議論を通じて政策を練り上げている。G1の掲げる「批判よりも提案を」「思想から行動へ」の趣旨に基づき、地方自治体の現場で同時多発的に変革の具体的なチャレンジを行い、日本の活力を創造することを目指している。

昨年夏合宿でまとめた「武雄イニシアティブ」に基づき5つのワーキング・グループ(以下、WG)をつくって、政策を共有し、取り組みを競っている。具体的には、以下の5つのWGだ。

①IT
②経済
③人材
④少子化
⑤教育

では、一つひとつ「同時多発的」な改革を検証して行こう。

1. IT: マイナンバーをきっかけに破壊的改革を地域から!

「G1首長ネットワーク」においてICT-WGを取りまとめている全国最年少政令市市長の熊谷俊人・千葉市市長の千葉市は、G1をきっかけに福岡市、奈良市、武雄市とともに「ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会」を設置し、オープンデータの意義や公開ルールに関する指針を策定した。市民サービスの向上や経済の活性化など、高い効果が見込まれる分野からデータの公開を積極的に進めている。

千葉市ではオープンデータによって既にいくつかの成功事例も生まれている。千葉市が指定する津波発生の際の「津波避難ビル」の位置情報を、行政がオープンデータとして配信することで、避難する人々を支援するアプリケーションの開発や、「AR(Augmented Reality=拡張現実)」を活用し、スマートフォンを空間にかざすだけで、現在地から最寄りの「避難場所・避難所」、「津波避難ビル」及び「非常用井戸等」の情報を知らせることができる。その場所からの避難経路も表示するサービスなどを、民間が開発しているのだ。

また千葉市は「ガバメント2.0」として、スマートフォンアプリを活用した"地域情報の市民通報の仕組み"に取り組んでいる。市民がスマホを活用して、市民情報を取り出せるようにし、市役所との距離を縮めようとする取り組みだ。

当然、マイナンバー法案導入に伴い、市役所に一度も訪問しなくても、必要な手続きが全て完了する先進的な改革を実施すべく現在企画中だ。

このようにITの発展を自治体経営に使わない手は無い。その際のポイントは3つだ。

1つ目のポイントは、全ての手続きをオンラインで行うことであろう。

今後は、出生届け、移転届け、婚姻届け、住民票や戸籍謄本の発行の手続き等が、全てオンラインで行うようになる。まさに、スマホやタブレットで行うことができるようになるのだ。

2つ目のポイントは、市民との連絡がメールやソーシャルメディアで行うことができることになる。千葉市では、既にメールによる市民とのコミュニケーションが始まっているし、武雄市ではフェイスブックをコミュニケーションのツールに使っている。ツイッターでコミュニケートする首長も増えている。

3つ目のポイントは、一市のみの活動でなくて、各地に「繋げる」ことであろう。

オープンデータやオンライン化の推進に加えて、自治体のITシステムの共有化が重要であろう。特に、予算、労務、人事など各自治体に共通するバックヤード業務は、全国の自治体でのシステムの共通化が可能だ。

当然コスト削減効果は絶大であるはずだ。その際には、今までの様にいちいち作り込むのではなくて、全てがパッケージ化されたクラウドで処理することになるであろう。

ICT-WGでは、上記のような問題意識をもとに、以下の取り組みを進める予定だ。

○各自治体の電子化、ペーパーレス化、データベース化
○オープン化されたデータの場所が容易に分かるリファレンス機能の実現
○マイナンバー制度への移行を行政サービスイノベーションの切り札として機能させるための普及促進方策の検討
○ICTレガシーの脱却

マイナンバー制度導入、廃県置道への移行といった制度変更を見据えて、オープンデータの推進とITシステムの共有化が進められること、特にこのWGを引っ張っている千葉市が先陣を切り改革し、全国に「同時多発的」に改革が進むことを期待したい。

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