野球
二宮清純「西武・田辺監督代行で“風は吹く”か!?」

指揮官交代で巻き返した4年前のヤクルト

「鬼が帰ってきたと思ってくれていい」と厳しさを全面に出し、チームを立て直す考えだったが……。

 埼玉西武の伊原春樹監督が4日に行われた横浜DeNA戦後、突然の休養を表明しました。理由は成績不振。目下、西武は20勝33敗で、首位・オリックスに12.5ゲーム差をつけられての最下位。「監督がひけばいい風が吹く」という伊原監督の発言からして、チームが浮上しても、再び指揮を執ることはなさそうです。このまま自動的に退団となる見通しです。

 監督代行には田辺徳雄打撃コーチが就くことになりました。最下位とはいっても、まだ90試合以上残っていますから、巻き返しの可能性は十分です。

 思い出すのが2010年の東京ヤクルトです。5月26日、高田繁監督(現DeNA・GM)が成績不振の責任を取るかたちで、球団に休養を申し出ます。この時点で借金19。首位・巨人とは15ゲーム差をつけられており、「このままズルズル後退するわけにはいかない」と高田監督は判断したのでしょう。

 とはいえ、途中でバトンを渡される方も大変です。鈴木正球団社長(当時)から「高田が休養することになったので明日から指揮を執ってくれ」と頼まれた小川淳司ヘッドコーチ(現監督)は悩みに悩みます。なぜなら不振の責任は、ヘッドコーチである自分にもあると考えたからです。

 しかし、熟慮の時間はありません。火のついたバトンを受け取った小川監督代行は「やれることから始めよう」と腹をくくります。監督代行に就いた翌日、クラブハウスに全員を集め、こう告げます。

「とにかく皆、同じ方向を向いていこう」