集団的自衛権の見直し問題が触媒となる「与野党再編論」の現実
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ようやく野党再編の動きが出てきた。みんなの党と日本維新の会の分裂が引き金になったが、政策的には集団的自衛権の行使容認や憲法改正問題への対応が背景にある。日米同盟を基礎に国の安全保障体制を整えながら、与野党ともに深入りを避けてきた問題が再編を後押している形だ。

この流れは今後、さらに加速する可能性がある。集団的自衛権の行使容認について与党が閣議決定すれば、早ければ今秋の臨時国会以降、遅くとも来年の通常国会から自衛隊法をはじめ具体的な関連法の修正作業が始まるからだ。

そのとき野党はあいまいな態度ではいられない。国会で関連法の改正案に賛成するか反対するか、選択を迫られる。憲法解釈の見直しは政府の問題にすぎないが、法律の改正となれば国会の仕事であり、まさしく野党の存在意義がかかっているのだ。

参院の議席数がどうなるか

鍵を握るのは、民主党である。民主党は減ったとはいえ衆院で衆院56、参院59の計115人の議員を擁する野党第1党である。自民、公明の巨大与党に対抗するには、維新やみんな、結いの党といった野党が結集するだけでは、あまりに非力なのは言うまでもない。

民主党が大分裂し野党再編に合流するか、それとも独自路線を歩むかどうかで情勢はまったく違ってくる。民主党は集団的自衛権の見直しについて事実上、分裂した状態だが、いつまでも中途半端ではいられない。具体的な法案審議が始まるであろう来年にかけて、事態は大きく動くのではないか。

まず、足元の動きを確認する。分党する日本維新の会は橋下徹、石原慎太郎共同代表がそれぞれ結成する新党の勢力が6月5日、決まった。橋下側が37人、石原側が23人で、残る2人が無所属で活動するという。

橋下側は江田憲司代表が率いる結いの党(14人)と夏に合流し、この「橋下・江田新党」はいまのところ総勢51人になる見通しだ。加えて、橋下側も石原側もみんなの党(22人)に働きかけを強めている。

最近、私が会った安倍政権幹部は野党再編について「参院がどうなるかですよね」と言った。

自民党は参院で115議席を確保しているにすぎず、議長を除くと過半数の121に7議席足りない。万が一、公明党が集団的自衛権をめぐって連立を離脱するような事態になった場合、だれが不足分を補うかが安倍政権の生命線になるのだ。

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