経済の死角

大飯原発「再稼働」裁判「国富の喪失」とまで断じられて 「原発はもう動かすな」この判決をどう考えるべきか

古賀茂明×若杉冽(『原発ホワイトアウト』著者)

2014年06月06日(金) 週刊現代
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〔PHOTO〕gettyimages

福島の汚染水処理問題の解決もままならないというのに、安倍政権は勇み足で原発再稼働に突き進もうとしている。元エリート官僚と霞が関の覆面作家が、改めて原子力行政と電力業界の闇を暴く。

原発の倫理学を提示した

若杉 5月21日、関西電力の大飯原発3・4号機をめぐって、「再稼働差し止め」の判決が福井地裁で出ました。福島の原発事故後、運転再開を認めないという判決が出たのは初めてのことですね。

菅義偉官房長官はすかさず、原子力規制委員会が安全性を確認した原発については再稼働させるという政府の方針は「まったく変わらない」と述べましたが、裁判で反原発派の主張が認められたことに安倍政権も関電も怒り心頭でしょう。ついに原発推進政権の自懐が始まった気がします。

古賀 判決文は「住民が生命を守り、生活を維持する権利の根幹を具体的に侵害する恐れがある」という内容で、原発の問題を人格権の観点から堂々と論じきった。原発の倫理学を提示したと言ってよいでしょう。人格権は原発稼働という経済的自由よりも上位にあるとして、少しでも危なければ動かしてはいけないという大原則を初めて明らかにしました。関電の会長・社長は、この判決文を胸に手を当てて読んでほしい。少しでも良心があるならば、納得して原発は止めようと思うはずです。

大飯原発に関しては、活断層の問題もあって、なかなか再稼働が難しいと言われてきましたが、関電は原発を動かさないと破綻する可能性があり、必死になっています。

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