メディア・マスコミ
「ポジティブなアイデアを取り上げ、メディアをおもしろくするヒントが見つかるサイトにしたい」---News of News運営・宮本裕人
宮本裕人氏

メディアが変化していくためには、どのようなヒントを知ればよいのだろうか。

国内外のメディアに関するグッドアイデアを紹介する「News of News」というサイトがある。運営するのは、早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース(J-school)でジャーナリズムを学んでいる宮本裕人氏(24)だ。

最近の記事をみると、「理想のコメント欄を探る、3種の取り組み」「欧州議会選挙の伝え方: 欧米メディアのビジュアル報道」「AP通信とロイター、記事は500語以内で」など、さまざまな切り口でメディアの取り組みが紹介されている。

News of Newsは、単なるウェブサイトではない。宮本氏はジャーナリズムコースの卒業制作としてこのサイトを制作し、日々運営しているのだ。

今回、そんな宮本氏にメディアやジャーナリズムに興味をもったきっかけやNews of Newsを立ち上げた背景、注目しているメディア動向などを伺った。

News of Newsのロゴとタグライン

メディアやジャーナリズムに興味をもった2つのきっかけ

高校生のときに「iPS細胞」のニュースをみて、「21世紀はバイオの時代だ」と思い、バイオテクノロジーを学ぶために東京理科大学に進学した宮本氏。しかし、3年時に本格的な実験修の実習がはじまったところで、科学者には向いていないと感じたという。

その後、就活をしてみたものの、「やりたいことがまだ分からない」と、大学3年の12月で就活をやめることを決断。やりたいことを探すため、卒業後にアメリカ・コロラド大学ボルダー校に1年間留学することに決めた。その留学に行くまでの約1年間に、宮本氏がメディアやジャーナリズムに興味をもつ2つの出来事があったという。

1つ目は、2011年2月に約2週間ニュージーランドへボランティアに行った際、飛行機で隣に座ったおじいさんが元編集者の方だったこと。「とにかく彼は話が面白くて、いろんな知識があって。『なんでそんなにいろんなことに詳しいんですか』と尋ねると、『元編集者だから』と言われてたんです」。

「編集者は、名刺1枚でどこにでも行くことができて、誰にでも会える仕事。プロジェクトごとに違う分野の専門家になれる」。その言葉を聞いて、飽き性な性格に合っていると思い、それまで理系の世界しか知らなかったという宮本氏は、初めてメディアの仕事に興味をもつことになった。

もう1つのきっかけは、3月11日の東日本大震災だ。放射線に関する情報が飛び交うなか、科学を伝える役目の必要性を実感。いまでも「知識としてのサイエンス」は好きだという宮本氏は、「研究者ではなく、科学を伝える人になろう」と思ったという。この2つのきっかけがあり、メディアやジャーナリズムの世界に足を踏み入れたのだ。

その後、留学を経て大学院に進学。1年時(2013年)の4月~8月にかけて、ウェブマガジン「greenz.jp」にライターインターンとして参加した。関わる大きなきっかけとなったのは、「社会を変えるのは『ニュース』より『アイデア』」という、greenz.jp発行人・鈴木菜央氏のインタビュー記事だ。

「アメリカ留学時にニュースを伝えるジャーナリズムを学んでいたけれど、『あ、ニュースじゃないんだ』と。それからよりgreenz.jpを読むようになり、帰国後に関わりたいと思いました」

greenz.jpのインターンでは、海外のグッドアイデアや事例を知ることで世界を見る目が広がるということを学んだという。「海外でも日本と同じような問題を抱えていて、それをクリエイティブな方法で解決している人がいる。そのような事例を知ることは、日本の課題を解決するためのヒントや気付きにつながると思っています」。

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