「超入門 資本論」【第4回】
給料を高くするにはどうするべきか?

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【第3回】はこちらをご覧ください。

給料の額を決める「労働力の価値」とは

給料は、労働者が出した成果で決まっているのではなく、労働力の価値、つまり「その労働者が明日も仕事をするために必要なコスト」で決まっています。

この「必要なコスト」には、体力を維持・回復するために必要な食事・住居などの費用だけでなく、その仕事をするために必要な知識・経験・技術を揃えるためにかかるコストも含まれます。医者や弁護士など、専門的な知識や長年の経験が必要な仕事は、そのために必要な知力を身につけるのに膨大なコストと労力がかかります。だから医者や弁護士の給料は高い、という話をしました。

そして厚生労働省の統計データからも、マルクスの理論が現代にも当てはまっていることを確認しました。つまり、給料を高くするためには「労働力の再生コスト」を引き上げることがポイントなのです。

商品の原材料に、その商品を作るためのスキル習得費が含まれるのと同様に、労働力としての商品にも、「その仕事をするために必要なスキル」を身につけるためにかかった勉強量(労働量)や費用が考慮されます。食費、家賃、洋服代、ストレス発散のための飲み代のほかに、技術習得費が「労働力の価値」として考慮されるのです。

レストランのシェフになるためには、調理師免許をとり、ある程度の期間修業しなければいけません。その修業経験があって初めてシェフとして働くことができます。つまり、その修業期間が「シェフとして働く」という労働力の「原材料」になっているわけです。だから、シェフの労働力の価値には、日々のシェフの労働だけでなく、この修業期間にかけた過去の労力も含まれるのです。

同じように、大学の先生になるためには、専門分野の知識を身につけるために勉強し、論文を書かなければいけません。この勉強期間や論文を書くのに費やした労力も「大学の先生の労働力の価値」に加算されます。

また、免許がなければできない職業があります。もし、その免許をとるのに100万円かかったとしたら、かかったお金の分は、その仕事をする労働力の価値に加算されます。

ただし、100万円かかって資格・免許を取得しても、初回の仕事でいきなり100万円全額を「労働力の価値」として上乗せられるわけではありません。この資格・免許の有効期間を考慮し、その期間内で「100万円」を均等割りして労働力の価値に上乗せされるようなイメージです。

いずれにしても、その仕事をできるようになるために必要な準備期間、その準備に費やした労力も「労働力の価値」として加算されるということです。

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