クリエイティブコモンズにキックスターターを融合させた、電子書籍のためのプラットフォーム「Unglue.it」
電子書籍のためのプラットフォーム「Unglue.it」

「自分の著書をできるだけ多くの人々に読んでもらいたい」というのが、多くの物書きの心情。とはいえ、自身の生計を立て、執筆活動を続けるためには、お金も必要です。

そこで、著書に対する一定の報酬を得ながら、オープンアクセス化によってより多くの人々に著書を届けられる、物書きにとっては一石二鳥のプラットフォームとして、「Unglue.it」が注目を集めています。

お金を健全に循環させる仕組み

「Unglue.it」は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下にある電子書籍を対象に、資金調達と配信の仕組みを提供するプラットフォーム。著者は、このプラットフォームで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づき書籍を開放する一方、電子書籍コンテンツとしてのオンライン販売やクラウドファンディングにより、一定の資金を得ることができます。

その具体的な手法として、「Unglue.it」では、3つの資金調達モデルを設定しています。そのひとつが、寄付モデルをベースとした「Thanks for Ungluing」。すでにオープンアクセス化された書籍に対して、有志から寄付を募るというものです。一方、まだオープンアクセス化されていない書籍については、一般読者に電子書籍コンテンツとして販売し、売上総額が目標額に達したら、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で開放するという「Buy to Unglue」と、「作品が完成したら、必ずオープンアクセス化する」という条件で広く資金を募る、クラウドファンディング型の「Pledge to Unglue」のいずれかを選ぶ仕組みとなっています。

書籍に特化したクラウドファンディングサービスとしては、米国の「Pubslush」や「Authr」、英国の「Unbound」などがありますが、資金調達を主たる目的とするこれらのサービスに対し、「Unglue.it」は、書籍のオープンアクセス化を究極の目的とし、その手段のひとつとして、クラウドファンディングを取り入れているのが特徴です。

「Unglue.it」の仕組みは、書籍のみならず、音楽・ソフトウェア・ゲームなど、他のデジタルコンテンツにおいても、活用できると考えられます。また、3Dプリンティング技術がさらに進歩し、3Dプリンターが普及すれば、雑貨や家具といった三次元のモノのデザインにさえ、この仕組みを応用できるかもしれません。

創作者に報酬が適正に配分され、かつ、創作物がオープンにシェアされることで、お金を健全に循環させながら、知的財産をより有効に活用することができるでしょう。「Unglue.it」は、これを実現する具体的な方策の第一歩として、秀逸だと思います。

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