AppleによるBeats買収の意味: 音楽レコード産業がIT産業に吸収される前兆か
〔PHOTO〕gettyimages

先日、Appleが米Beats Electronics/Music(以下、Beats)を30億ドル(約3,000億円)で買収すると正式に発表し、世界の音楽レコード業界に衝撃が走った。最近のレコード業界が置かれた状況を考えると、この買収には非常に深い意味があるからだ。

すでに各種メディアで報じられているように、Appleが今回の買収に踏み切った背景には、音楽レコード産業がストリーミング配信へと大きく傾いていることがある。特に米国では、その傾向が顕著で、音楽レコード市場が全盛期の半分以下にまで縮小する中、音楽のストリーミング配信は急成長を遂げている(図1、2)

図2) 米国の音楽レコード市場に占めるストリーミング配信の比率(RIAA:米音楽レコード産業協会の調べ)

急激な構造変化が進む米レコード産業

米国の音楽レコード市場の構造変化は、以下の図3、4を見るとさらに顕著だ。音楽CDの売上はピークの15%程度にまで落ち込み(図3)、今や音楽レコード市場全体の35%を占めるに過ぎない(図4)。市場の60%以上は、音楽ダウンロードやストリーミング配信など、いわゆるデジタル・ミュージックとなっている(図4)。

図4) 米音楽レコード市場の内訳:Physicalは基本的に音楽CDのような物的媒体、Digital DownloadsはiTunesのような音楽ダウンロード配信、Subscription & Streamingは定額ストリーミング配信を指す
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