映画『闇金ウシジマくん Part2』ヒットの理由を考える
『闇金ウシジマくん』公式HPより

公開中の映画『闇金ウシジマくん Part2』が当たっている。封切りから約半月で興行収入は4億円を突破。2年前に公開された第1弾の興収をすでに超えた。

下地になっているのは、二度にわたってTBS系で放送された同名タイトルの深夜連続ドラマで、中高年層にはまだ馴染みが薄いが、若年層の間ではすっかり浸透。認知度が中高年層でも高まれば、『ウシジマくん』の商品価値はさらに上がりそうだ。まだ伸び代がある。

若年層の間ではドラマの動画配信も好評で、NTTドコモのスマートフォン向けサービス「dビデオ」のアクセスランキングは、民放ドラマではトップ(5月30日現在)。dビデオだけで見られるオリジナル番外編もやはり人気1位(同)で、dビデオのキラーコンテンツの一つになっている。

金融業界を舞台に、現代人の心の深部を描く

舞台はタイトルの通り、闇金融業者。かつて若者を魅了したトレンディドラマの世界とは対極であり、華やかさは欠片もない。陰湿そのもの。それなのに女性ファンも多い。なぜだろう。

まず、物語がリアルだ。『半沢直樹』(TBS)は表金融の代表である銀行の内情を細かく描いたが、『ウシジマくん』はアングラ金融界事情を活写。トレンディドラマの登場人物は美男美女ばかりで、近代的なオフィスでスマートに働き、アフター5を満喫して、豪華マンションの自宅に帰っていったが、そんなお伽話ではない。写実に徹している。

経済が右肩上がりの時代は、やがて自分もトレンディドラマのような生活を送れるかもしれないという幻想を抱く余地があったから、お伽話も受け入れられたのだろう。事実、高度成長期からバブル期までは一代で富を築き上げる若者も珍しくはなかった。チャンスに恵まれていた。が、現在は逼塞した経済情勢と極端な少子高齢化で、将来に夢を持ちにくい。お伽話が通用する時代ではないだろう。

その点、『ウシジマくん』は、『半沢直樹』と同様にリアリティー満載だ。裏金融の仕組みを説明するだけでなく、現代人の心の深部を描こうとしている。つまり、人間の業。金と欲には人の本質が表れやすい。業を描く舞台には金融業界がうってつけなのだろう。

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