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変化は速い、流れが読めない会社は死ぬ PART1 この経営者には気を付けたほうがいい
日本の有名企業これから大きく伸びる会社消えるかもしれない会社
〔PHOTO〕gettyimages

秋野充成(いちよしアセットマネジメント執行役員)×中野晴啓(セゾン投信社長)×週刊現代編集部経済担当

1位のソフトバンク、2位に転落したドコモ。再逆転はあるか/苦境の任天堂、「スマホ用ゲームは作らない」という英断/ソニーはこのまま消えるのか/東芝・西田会長の功罪/ユニクロ「脱デフレ」戦略の成否は/過去最高2兆3000億円を稼いだトヨタは、どこへ行く/実はやばい、3大メガバンク/ボロ儲け商社、本当の勝ち組は?ほか

日本企業は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれた時代の輝きを失ったのか。答えは、否。経済・企業に精通するプロと本誌経済担当が本音で語り合ったダブル鼎談で、未来の日本経済を牽引する「最強企業」がわかった。

闘いのルールが変わった

本誌 決算ラッシュのシーズンですが、自動車業界が絶好調です。

秋野 そうですね。ただトヨタの過去最高益更新ばかりが注目されている中で、私は富士重工業とマツダに着目しています。この2社は身の丈は小さいですが、思い切った経営戦略に舵を切ってきた勇気のある会社です。ともに中国より北米を重視する道を選んできた。経営トップのその英断が今決算に表れて、ともに過去最高益を更新したという点が興味深い。

中野 同感です。自動車各社の決算の特徴は、リーマン・ショック後に将来を見据えた決断ができた経営者がいる会社とそうでない会社で明確に業績に差が出てきたということでしょうね。

本誌 というと?

中野 リーマン・ショック後、北米の自動車市場は販売台数が3割超も落ち込みました。その急落ぶりに怯えて、成長著しい中国をはじめとする新興国に経営資源をシフトする会社が多かった。でも、一部の先見性のある経営者は急落した需要はいつか必ず回復するはずだと見越して、あえて北米に出て行った。その結果が数字に顕著に出たのが富士重工業とマツダなんです。

秋野 新興国シフトした日産の決算は他社にくらべて見劣りしています。ただ、もう少し長い目で見ると業界の風景がさらに変わる可能性はありますよ。

中野 世界に目を向ければ独のフォルクスワーゲン(VW)、米国のゼネラルモーターズ、韓国の現代自動車など強豪揃いですからね。私も秋野さんと同じように見ていて、将来的には3つの巨大グループに各社が集約されていくと思っています。しかも、そうした合従連衡は向こう数年で顕著に進むでしょう。

秋野 ポイントは次世代車競争にどこが勝つか、です。しかし電気自動車、燃料電池車などどれが次世代のメインになるかわからないので、すでに年間1兆円も設備投資し続けているトヨタが一歩抜きん出ているとは思います。VWでも年間8000億円規模ですから。

本誌 日産やホンダはどうですか。今決算で最高益を達成できなかったのは大手の中でこの2社だけです。

中野 日産はパートナーのルノーも苦境なので、体力的にも厳しい。ホンダは単独で生き残れるかどうかギリギリのところですが、「脱クルマ」戦略に走ったほうがおもしろい。思い切って資金を『ASIMO』に代表されるロボット事業につぎ込んで、自動車メーカーから脱皮するとか。21世紀に成功する会社というのは、これまで蓄積してきた技術の引き出しをうまく使って、いかに新しいものを生み出すかにかかっていますから。

秋野 おっしゃる通りですが、日本の経営者はそれが一番下手なんです(笑)。

中野 そうなんです。代表的なのが家電業界。たとえば英国ダイソンの羽根なし扇風機とか、米iRobotのロボット掃除機『ルンバ』などは日本の技術力で簡単に作れるのに、日本企業は集団意思決定体制になっているから飛びぬけたアイデアが商品化されずに社内で腐って終わってしまう。ダイソンは社長が直接現場に入って、「これ、やろう」と即断即決しています。

秋野 とにかくいまは変化がかつてないほどに速く、経営者がひとつ決断を間違えればあっという間に会社が死んでしまう時代です。日本経済に関して言うと、デフレ経済からインフレ経済への本格的なシフトが始まりかけている。

中野 その大きな転換に乗り遅れているのが日本マクドナルドでしょう。原田泳幸前社長がデフレ型経営でヒットを飛ばしたものの、最近はその成功体験から脱しきれずに次の一手が見えない。

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