経済の死角
2014年05月30日(金) 石田 和靖

カスピ海の天然ガスを欧州へ運ぶパイプライン「BTC」と「TANAP」

トルコを横断するTANAPプロジェクトの模型

文/ 石田和靖株式会社ザ・スリービー代表取締役)

天然ガス需要が高まる欧州の思惑

5月19日のカスピアンバレルによると、オーストラリアのインフラ開発企業であるウォーリー・パーソンズ(Worley Parsons Limited)は、アゼルバイジャン~グルジア~トルコを結ぶBTCパイプラインを欧州へと繋ぐ延長線であるトランスアナトリア天然ガスパイプラインプロジェクト(TANAP)の5年間の設計・調達・建設管理契約を獲得しました。これはトルコとギリシャを結ぶ117億ドル規模の天然ガスパイプラインプロジェクトとなります。

ウォーリー・パーソンズはオーストラリア証券取引所に上場する、エネルギー・資源・関連加工処理に関する専門技術を持つインフラ開発企業です。1971年に設立され、オーストラリアのシドニーに本社を構えます。オセアニア地域だけではなく、欧州・北南米・アジア・中東・アフリカ等、様々な国や地域で石油・ガス精製、石油化学、化学、鉱物、金属、電力、水道、工業等、多岐に渡るインフラ整備を行っている会社です。

今回のこの契約ではTANAPプロジェクトカンパニーとウォーリー・パーソンズの間に、TANAPプロジェクトに関する設計・エンジニアリング・施工管理・調達・プロジェクト管理・パイプラインや関連設備のための様々なサービスの提供が約束されました。

エネルギーの多様化が進み天然ガス需要が高まる欧州には、ロシアの天然ガスへの依存度を下げたいという思惑があります。また、エネルギーハングリーであるインドや中国などのアジアの人口大国も、カスピ海の天然ガスをダイレクトに運ぶパイプライン計画を発表しています。BTCパイプラインの東西への延長計画が様々打ち立てられ、その中心となるカスピ海のバクー油田やアゼルバイジャンの存在感が日々高まりつつあります。またそこには西側諸国の資本が多数参加しています。

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