サッカー
二宮寿朗「“バロンドールの呪い”に挑むC・ロナウド」

 あまりに劇的な優勝だった。
 史上初めて同じ都市のクラブで争うことになった2013―2014年シーズンの欧州チャンピオンズリーグ決勝戦。ディエゴ・シメオネ率いるアトレティコ・マドリーの、クラブ創立101年目にしての初戴冠は目前に迫っていた。しかし、最後に笑ったのは「ロス・ロヒブランコ(赤白軍団)」ではなく、「ロス・ガラクティコス(銀河系軍団)」であった。

ダメ押しPK後の“ドヤ身体”

 レアル・マドリーは0-1で迎えた後半アディショナルタイムにセットプレーからセルヒオ・ラモスが頭で押し込むと、延長に入って集中力にかげりを見せるアトレティコから3点を奪い取った。トドメのトドメになった4点目は、エースのクリスティアーノ・ロナウドが倒されて得たPKを自ら決めたもの。決勝会場は故郷ポルトガルのエスタディオ・ダ・ルス。そして大会新記録となる17得点目をマークして、チームが目標にしていたデシマ(10度目の優勝)達成に貢献した。C・ロナウドは白い歯をこぼして、チームメイトと喜びを分かち合っていた。

 今季、欧州サッカーシーンの主役を張ったのは、彼を措いて他にはいない。
 リーガ・エスパニョーラこそ優勝を逃がしたとはいえ、欧州CLとスペイン国王杯の2冠を達成し、リーグとCLで得点王を獲得している(今季はシーズン通算51得点、50点超えは4シーズン連続)。そして13年のFIFAバロンドールも受賞。リオネル・メッシの次点が続いていたが、ようやく「準主役」の殻を打ち破った。まさにC・ロナウドのシーズンだったと言える。

 彼の凄さとは一体、何か。
 CL決勝の舞台でPKを決めた後、ユニホームを脱いで披露したあの肉体美にあらためて驚いたファンも少なくないだろう。ボディービルダーも顔負けの肉体をファンに見せつけた、“ドヤ顔”ならぬ“ドヤ身体”。彼の驚異的な身体能力は、妥協なくつくり上げてきた肉体から生み出されている。もちろん日々の努力なくして、つくり上げることはできない。