人口・少子高齢化
「消滅する市町村523」増田寛也論考が示す衝撃の人口減少予測。名指しされた自治体はどう対処すべきか?
30年間で人口が半減、若年女性が6割に減ると推定された四国のある町の光景  photo Getty Images

雑誌『中央公論』の6月号に載った「消滅する市町村523〜壊死する地方都市〜」という記事が話題になっている。東京大学客員教授で元総務相の増田寛也氏と日本創世会議・人口問題検討分科会の提言という形で掲載されている。

若い女性の人口に着眼

本論考は出生の約95%を占める20歳〜39歳の女性人口に着目し、現状の出生率(合計特殊出生率は1.41)と社会的移動を前提とした場合に、2040年時点で人口が1万人を切る自治体が523自治体にのぼると試算していて、具体的な自治体名を掲載している。

個々の自治体に関して人口の推計がピッタリこの通りになるという保証はないが、人口の変動には相当程度慣性の法則が働く。現在の状況が続いた場合に、存続の意義がなくなる自治体が相当数発生することをこの記事の試算は赤裸々に示している。

データと論理の詳細に関しては前掲記事を見て頂くとしても、人口の維持・増加の直接的な担い手である20歳〜39歳の女性の人口動向に着目した将来予測には十分なリアリティと説得力がある。

人口の減少は今後相当の確度で起こるが、全国均一に起こる訳ではない。若者、特に若い女性をつなぎ止めることが出来ない地域は、人口が減少し、自治体が維持出来ないレベルに追い込まれていくのだ。

この予測は、当該地域の現在の住民や当該地域を故郷とする人々にとってショックだろうが、何よりも、当該地域の自治体に就職した人々にとって衝撃だろう。「将来とも安定した職場」だと思って就職した自治体が、徐々に寂れていって、自分が職を必要とする時期になくなるのである。自治体職員にしてこの有様なのだから、世の中は長期的には案外公平だとも思うが、「安定した職」というものはないものだという現実を認識せざるを得ない。