三橋貴明の「第2次所得倍増計画」

【第14回】第六章 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の所得格差対策とは(後編)
~「安全保障」重視、「国土強靱化」政策の
実行が新たな「所得倍増」の道!~

2014年05月27日(火) 三橋 貴明
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【第13回】はこちらをご覧ください。

国民経済は繋がっている

本連載は今回が最終回になる。

本連載において、筆者は「所得とは何か?」「付加価値とは何か?」「GDP(国内総生産)の意味」「なぜ、日本の名目GDPが成長しないのか?」「税収の源泉は所得」「デフレギャップ」「インフレギャップ」「正しいデフレ対策」「インフレ率の定義」「経世済民」「実質賃金」「雇用の種類」「政府支出の中身」「経済成長の意味」「フィリップス曲線」

「安全保障」「インフラストラクチャー」「技術の継承」「築土構木」「エネルギーミックス」「貿易収支」「経常収支」「輸出依存度」「輸入依存度」「法人税減税」「対外直接投資」「GNI(国民総所得)」「規制緩和」「道州制」「グローバリズム」「ナショナリズム」そして「国富」と、改めて書き連ねてみると実に多種多様な指標やキーワードについて語ってきた。

上に羅列した各キーワードはそれぞれ別の話に見えるかもしれないが、どれを取っても、全てにおいて関連性があるというのが現実なのだ。

「日本国民の所得を倍増させよう」

と、言うのは容易い。とはいえ、実際に日本国民の所得を数年、十数年程度で倍増させようとした場合、上記「全て」の指標、キーワードの意味を理解しなければ、まともなソリューション(解決策)は生み出せない。無論、上記以外にも正しく理解する必要がある指標、キーワードは数知れない。

さらに重要なのは、先に述べた指標やキーワードの関連性について把握することだ。例えば、「税収の源泉は所得」と「技術の継承」は、一見、全く関係がない話に思えるが、実際にはそんなことはない。

土木・建築の技術の継承をするためには、伊勢神宮の例を出した通り、現役世代の技術やノウハウが若い世代に伝えられなければならない。そのためには、若い世代が現場で働き、先輩から様々なスキルを伝授してもらう必要がある。

若い人が働くということは、そこに確実に「所得」が生まれるということだ。所得が発生すれば、政府は税金を徴収することが可能になる。

より具体的に書いてしまうと、政府はいわゆるNEETから税金を取ることはできない(消費税のみが例外)。だが、NEET(現在は60万人もいる)の若者が現場で働き、ベテランから様々な技術やノウハウを吸収し、自らの中に蓄積し、一人前の人材に育っていけば、彼らが稼ぐ所得が増加する。所得が増えれば、当然の話として「所得を源泉」とする政府の税収も拡大する。国民経済は繋がっている。

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