幻の深海ザメ「メガマウス」の解剖に3000人余りのサメ好きが集結!

2014年05月27日(火) 沼口 麻子
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公開解剖

メガマウスの公開解剖では、メガマウスの解剖経験もあるということで司会進行の役目を担った。当日の報道は13社以上。サメたった一匹に、メディアがこんなにも集まったことは未だかつてないだろう。サメに注目する世の中になりつつあることがひしひしと感じられた。

また、予想以上にギャラリーが集まり、移動してもらわなくてはならなかったり、サメがなかなか見えなかったりとご迷惑をかけてしまった。せっかくサメを見にきてくれた方全員にみてもらいたかったが、なかなか采配が難しく、お叱りをうけてしまう場面もあった。しかしながら、そのくらい気合いを入れて全国各地からメガマウスを見にきてくれていたのだと思うと、怒られながらも、シャーキビリティの高い人(サメに対して熱い気持ちを持つ人)たちをただただ尊敬するばかりであった。

解剖は、外部形態計測、腹部の切開、頭部の解剖の順に進められた。

にゅるり。

パンパンに膨らんだ胃、ソーセージ状の短い腸、クリーム色の大きめの肝臓が腹部の正中線上の切れ込みからにゅるりと滑り出てきたと同時に、ギャラリーがどよめいた。

メガマウスのらせん腸

もっとも時間がかかったのは、脳みその摘出作業だ。メガマウスを仰向けにして、口蓋から頭蓋骨を少しずつ掘り起こし、脳みその入っている空間まで掘っていく。そして、柔らかく繊細な脳みそを壊さないように、慎重に取り出すといった作業だ。とてもじゃないが、私にはできないレベルの高い作業である。公開解剖は4時間にも及んだが、そのうち、最後の1時間は脳みその摘出作業に使われた。摘出の瞬間をマイクを通じて伝えたところ、すでに死亡しているサメであるにも関わらず、ギャラリーから拍手喝采がおこった。メガマウスの脳みそ摘出は、シャーキビリティが3000人に伝播した瞬間だった。 

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