幻の深海ザメ「メガマウス」の解剖に3000人のサメ好きが集結

沼口麻子「サメに恋して」第3回
沼口 麻子 プロフィール

メガマウスの珍しさ

最近、深海生物のテレビ番組が多くみられる中、メガマウスの希少価値について改めて言及したい。

メガマウスがはじめて人の目に触れたのは1976年11月15日。ハワイのオアフ島だった。つまり、わずか38年前に新種記載された生物で、これは背骨を持つ生物の中で、一番最後に発見された種類ということになる。

無脊椎動物のたとえば、小さなエビなどが新種記載されることは日常茶飯事であるが、6mにも達する巨大生物が新種記載されるということは、近年稀に見る出来事なのだ。

また、メガマウスの記録数は研究者によって様々だ。東海大学は58個体として最終的に発表したが、75個体を越えるという研究者もいる。また、稀少な生物は闇で取引されている可能性もあるので、正確な数字ははじき出すことができない。実際には100個体以上は人の目には触れているようではあるが、正確な数は不明だ。
(参考:メガマウスの記録をしている海外サイト

そして、これが今回の解剖チームの調査結果だ。

全長4.46m
体長2.96m
肝臓23.77kg
体重677kg
子宮の状態 若干肥厚
胃総重量31.26kg(オキアミ主体、シラス、サクラエビ等)
腸総重量7.45kg
上顎
歯列4列、下額歯列5列
脳重量38.3g 

私は駿河湾のある海辺の町に住んでいる。メガマウスが漁獲された由比からも近い清水という町だ。海辺を散歩中にふと見上げると、富士山は今日も一段と美しかった。この下をメガマウスが往来していると想像しただけで、脈拍が急上昇する。毎日、富士山を見上げ、深海にメガマウスを感じながら、この町で生きていくほど、贅沢はない。

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