この著者に聞け
2014年05月24日(土)

成毛眞×瀧本哲史【第2回】恥を捨てバカを代表できる少数の優秀な編集者が時間をかけて本を作るべき

honto「新書サミット2014」キックオフイベント

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成毛眞氏、瀧本哲史氏

⇒【第1回】はこちらからご覧ください。

柿内: 実は今回のキックオフイベントに合わせて、講談社現代新書、中公新書、岩波新書の編集長さんに、それぞれ自分のレーベルで「大学生にぜひ読んでもらいたい3冊」というのを選んでもらいました。

成毛: 何だか難しそうな感じですね(笑)。講談社現代新書のほうは『タテ社会の人間関係』、もう1冊は『戦争の日本近現代史』、3冊目は『独立国家のつくりかた』。中公新書のほうは『入門!論理学』、『人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか』、『南京事件―「虐殺」の構造』。岩波新書は『生きる意味』、『日本のデザイン――美意識がつくる未来』、『世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて』……このセレクションは間違っていますね(笑)。僕が大学生だったらこんなのは絶対読まないです(笑)。

変化を追う本、自分を守るための本

僕が今現在読んでいる本は次の4冊です。たくさん付箋を貼っていまして、この付箋に沿ってHONZのレビューを書くんですが、この4冊のうち実際にレビューを書くのは1冊だけになります。全部レビューを書くことはなくて、複数読んだ本のなかからチャンピオンを選出するわけですね。

1冊目は講談社ブルーバックスの『宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト』という宇宙論の本です。現代の物理学の最先端ですね。科学というのはここ15年くらいで物すごく変わったんですね。それはつまり、皆さんが学んだことは、もうすでにほとんど役に立っていないことを意味します。サイエンスに関しては、人類史の歴史上でこれほど変わったものはないと言えますが、そこを追いかけておかないと、20代の人でも、高校生に追いつかれちゃいます。常に変化するものだから。

今回新書の編集者たちが挙げたお薦め本というのは、社会学系のテーマの話ばかりで、これは変化しません。たとえばパリはもう変わらないんです。200年もパリをやってきているから、パリはずっと200年間も観光都市だったのだし、次の200年間もそうでしょう。そんなものをいくら勉強してもしょうがないんです。だから、僕からはまずサイエンスをおすすめします。

2冊目は『医学探偵の歴史事件簿』(岩波新書)という本です。これは、歴史を動かした病気の謎について書いています。まさに医学探偵なので、探偵小説のように読めるにもかかわらず、歴史のちょっとした面白みも感じることができるし、医学のとっかかりについても学べます。

次ページ 3冊目は岩波ジュニア新書の『お…
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