米国とメキシコをシームレスにつなぐ、サンディエゴ発スタートアップアクセラレーター「HardTech Labs」
カリフォルニア州サンディエゴのスタートアップアクセラレーター「HardTech Labs」

米カリフォルニア州南部のサンディエゴ(San Diego)は、州内でロサンゼルスに次ぎ2番目に多い人口を擁する都市。1990年代からクアルコム(Qualcomm)などの情報通信企業やバイオ・製薬・医療機器の企業が拠点を構え、日系企業をはじめ多くのグローバルメーカーの工場が集中するメキシコのバハ・カリフォルニア州ティファナ(Tijuana)と接する地域でもあります。

また、最近では、雑誌「フォーブス(Forbes)」の「スタートアップ創設にベストな都市ランキング」で一位を獲得するなど、スタートアップの拠点としても注目されてきました。

このようなサンディエゴ特有の「地の利」を活用し、ハードウェア系スタートアップの事業化を後押しするアクセラレーターが、「HardTech Labs(ハードテック・ラボズ)」です。2014年3月、米インキュベーター「Origo Ventures(オリゴ・ベンチャーズ)」のマネージング・パートナーであるDirek Footer氏らによって創設され、地元サンディエゴのものづくりコミュニティ「Fab Lab San Diego(ファボラボ・サンディエゴ)」やコワーキングスペース「Co-Merge(コ・マージ)」、メキシコのコンサルティング会社「MINK Global」などが支援しています。

米サンディエゴとメキシコ・ティファナが接する国境付近の様子。Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by Kordian

スタートアップ創出の新たな試み

HardTech Labsのミッションは、情報通信などのテクノロジーに強みを持つ米国のサンディエゴと、生産施設が豊富なメキシコのバハ・カリフォルニア州と国境を超えてつなぎ、ハードウェア開発のためのエコシステムを確立すること。開発部門と生産現場との距離を近づけることで、アイデアから設計・試作・工程設計・量産までの期間を短縮し、プロダクトをより早く市場に投入することができます。また、労働力の安いメキシコ側で生産することによってコストを抑えられるのも利点でしょう。

HardTech Labsでは、事業アクセラレーション支援プログラムの本格的な実施に先駆け、2014年5月からベータ版プログラム「Class Zero(クラス・ゼロ)」を試行しています。このプログラムには、ヘルスケア向けウェアラブル端末を開発する「Owaves」やネットワークモニターの開発企業「LANPie」ら、地元のスタートアップ企業4社が参加。HardTech Labsは、当面、ウェアラブル端末・ドローン(無人航空機)・メディカルデバイス・通信機器などの分野を中心に、スタートアップ企業を支援していく方針です。

ハードウェアに特化したスタートアップアクセラレーターとしては、サンフランシスコ・ベイエリアを拠点とする「Lemnos Labs」や「Highway1」、サンフランシスコと中国・深圳の2拠点で展開する「Haxlr8r」などもありますが、地続きで往来できる米国とメキシコとをシームレスにつなぐHardTech Labsは、スタートアップ創出の新たな試みとして注目されます。
 

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら