「講座:ビジネスに役立つ世界経済」
【第45回】 米国市場が不安定な理由

〔PHOTO〕gettyimages

今一つさえない米国株のパフォーマンス

米国では、現在、順調に経済が回復しているとの見方から量的緩和の縮小(いわゆる「Tapering」)が段階的に進んでいる。米国のマスメディアも現地のエコノミストらも、Taperingは遅くとも年末には終了するだろうという見方を崩していない。

そのため、金融政策上の焦点は、量的緩和終了後の利上げ(ゼロ金利政策の解除)のタイミングとなっている。ジャネット・イエレン議長はFOMC後の記者会見で「量的緩和が終了して3ヵ月以内程度に行うのがよい」と、利上げの具体的なスケジュールに言及したことから、米国市場では利上げに対する懸念が高まり、米国株式市場は一時、調整局面入りを余儀なくされた。

また、イエレン議長は、同じ記者会見の場で、Taperingについても、早ければ秋口にも終了させたいとの意向を示した。そのため、利上げも早ければ来年前半に実施されるのではないかという思惑が台頭した。だが、その後、FRB高官は相次いで、Tapering後も当面はゼロ金利政策を維持するとの見方を示し、早期利上げ論の火消しを続けている。

新聞などのメディアでは、米国株が史上最高値を更新したというニュースを報道しているが、年初からのニューヨークダウ工業株30種の収益率は-0.4%、ナスダックは-1.2%と米国株のパフォーマンスは今一つさえないのが実情である。

この理由について、筆者は、FRBの金融政策正常化の動きとその効果についてマーケットが懐疑的な見方に変わり始めているためではないかと考えている。これは後述するが、米国の長期金利低下の理由ともつながる。

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