佐々木紀彦×松浦茂樹×瀬尾傑【第2回】「優秀な編集者は売り手市場になる!これからは女性編集者が活躍する時代だ」
「メディアの未来」座談会
現在、アマゾンでも売り切れ中の話題の本、光文社新書『メディアの苦悩---28人の証言』(長澤秀行著)の発売を記念して行われた、佐々木紀彦・東洋経済オンライン編集長、松浦茂樹・ハフィントンポスト日本版編集長、瀬尾傑・現代ビジネス編集長によるメディアの未来を考える座談会。全4回の短期集中掲載でその模様をお伝えします。司会は長澤秀行氏(社団法人インターネット広告推進協議会事務局長)です2013年10月対談収録)。

日本のメディアは"先輩を見て学べ"という世界

佐々木: 日本のメディアでは人材の流動性が低いですが、メディア企業が持っているのはブランド力と、もう一つは育成機能ですよね。しかし、ブランド力が衰えてきて、経営に余裕がなくなり育成機能も衰えてきている。ある程度育った人からすると、会社にいるメリットというのが昔より相当下がってきたと思います。

瀬尾: メディアに本当にジャーナリストを育てる機能があるかというと、実際、それはないんじゃないですか。どっちかというと日本のメディアって、アメリカのメディアはそれこそジャーナリズムスクールがあったりとか、体系的なジャーナリズムを教える仕組みがある。ほとんどのメディアって、僕もそうだったんですけど、OJTを称する現場主義なんですよね。

松浦: 徒弟制度ですね。

瀬尾: そうそう。先輩を見て学べ、みたいな世界です。その中で裏取りってこういうもんだというのを教えてもらう。だけど体系的に取材とはこうあるもんだとか、あるいは、人権ってこうだとか、報道ってなぜあるのかみたいな、そういう教育ってほとんどないんですよ。ここは空白です。その中でOJT的な細かいノウハウだけ教えている、そういう感じなんです。

松浦: 私はウェブメディアだけで育った人間なので、驚いたことがあります。書くことにスキルが特化した人にいろいろとお目にかかったんですが、これが全然スキルそのものに連続性がない。学んできたものがOJTばかりなんです。いろんなOJTですばらしいスキルもそろってるんですけど、共通パーツが少ない。

僕は技術者出身なので、OJTとはいいながら、そうはいったってこういうコードの書き方はあるんだよというのを、ある程度やる。ソースの書き方が違っているとメンテナンスができないですからね、システムでは。

それで記者さん、ライターさん、みんないい方なんだけど、ここのところの共通性の部分がないなあと感じています。そこはいま一度、ジャーナリズムの研修的な部分というのはあったほうがいいんだろうなというのは、本当のことをいうとあります。 

メディアの苦悩---28人の証言
著者=長澤秀行
光文社新書 / 税込み886円

◎内容紹介◎
もう、メディアは何をやってもダメなのか?
「マスゴミ」「オワコン」と言われる新聞・テレビ・雑誌と、炎上など様々な社会問題を引き起こすネットメディア。
元・電通のデジタル・ビジネス局長が、苦悩を続けるトップたちへの直撃取材を元に、これからの「メディアの役割」をあぶり出した渾身のインタビュー集です。
登場するのは、津田大介氏、川上量生氏、フジテレビ亀山社長、朝日新聞木村社長、東浩紀氏、中川淳一郎氏、元・電通副社長森隆一氏、アリアナ・ハフィントン氏らメディアの先駆者たち、総勢28名。 メディア関係者、マスコミへの就職を考える学生たちの必読書!

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