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有名企業100社の社長を調べて分かった 会社に入って伸びる人は、出身高校で決まっていた 都会の私立より、地方の公立がお得?

社会人としての基礎力はいつ養われるか。学歴といえば出身大学を思い浮かべるが、高校時代に身につけた素養こそ重要だろう。今回、本誌は日本の有名企業の社長の出身高校を徹底調査。そこから見えた出世する人の条件とは。

勉強だけじゃ認められない

先の見えない不透明な時代にあって、政財界がいま最も頭を悩ませているのが人材の問題だ。安倍政権がグローバルに活躍できるリーダーを育てる高校への支援を成長戦略の一つに掲げるように、高校時点から将来のリーダーを育成する方針が明確になってきた。

それでは、いま成功している企業のトップは、どんな高校で学び、リーダーシップを養ってきたのだろうか。社長の出身高校には、都会の私立が多いのか、それとも地方の公立が多いのか—。

時価総額が大きい主な大企業と、昨年新規上場した主な新興企業合わせて100社。その社長の出身高校を本誌が独自調査した結果をまとめたのが、最終ページからの表である。この表からは、「会社に入って伸びる人」の条件が見えてくる。

今回の表に登場した92校の高校のうち、最も多く(5人)の社長を輩出していたのが麻布(東京都港区)。高校からの生徒募集を行わない完全中高一貫校で、毎年のように東大合格者数で全国トップクラスに入る、言わずと知れた超名門私立校である。

「自主自立・自由闊達という校風で、校則も制服もないし、教師の出勤時間も決められていない。文化祭や運動会は生徒の自主運営に任されている」(全国の高校事情に詳しいジャーナリストの猪熊建夫氏)

ほかに類を見ない自由で開明的な校風から卒業生の顔ぶれも多彩で、首相経験者の橋本龍太郎氏、福田康夫氏、さらに芥川賞作家の吉行淳之介氏、北杜夫氏や、脚本家の倉本聰氏、俳優のフランキー堺氏、ジャズピアニストの山下洋輔氏や、最近では『相棒』シリーズなどで有名な脚本家の戸田山雅司氏、日本テレビアナウンサーの〓太一氏などを輩出している。

「勉強はできて当たり前。『プラスα』でなんらかの趣味や特技を持っている、つまり遊びもできて初めて認められる空気がある。麻布は元西武鉄道社長の堤義明氏、元本田技研工業社長の福井威夫氏など財界にも多くの逸材を送り出していて、いずれも調整型ではなく、果敢にチャレンジする仕事を成し遂げています」(『名門中学最高の授業』などの著書があるジャーナリストの鈴木隆祐氏)

中高一貫は人脈が命

表に登場する三菱商事の小林健社長は船舶部門時代に造船不況を切り抜けるなどの骨太な仕事をやり遂げ、コマツの大橋徹二社長も米国勤務時代に赤字の大型鉱山機械事業を短期間で黒字転換させた剛腕の持ち主。混迷の時代に企業が麻布出身者を抜擢するのは、単なる進学エリートにはできない「突破する力」を求めていることが背景にあるのだ。