町田徹「ニュースの深層」
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孫正義「錬金術」は曲がり角!? イー・アクセス売買撤回で囁かれる「ヤフー造反」「米携帯会社の買収断念」説を追う

2014年05月20日(火) 町田 徹
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孫正義ソフトバンク会長は5月7日「純利益でドコモ超え」に胸を張ったが photo gettyimages

ヤフー・ジャパンによるイー・アクセス買収が白紙撤回されることになった。

買収発表から2ヵ月で、180度の方針転換

この買収劇は、もともとヤフーの親会社であるソフトバンク保有の携帯電話会社イー・アクセスをグループ会社間で売買しようというM&A(企業の合併・買収)に過ぎない。

このため、株式市場では「潤沢なヤフーの手持ち資金をソフトバンクが吸い上げようという、孫正義社長が率いるソフトバンクらしい錬金術に過ぎない」などと、冷ややかに受け止める向きが多かった案件である。財務基盤がぜい弱化するヤフー株の人気離散を招く材料にもなっていた。

とはいえ、鳴り物入りの発表からわずか2ヵ月足らずで方針を180度転換するのは異例のことだ。それだけに、「ヤフーがソフトバンクに造反した」とか、「ソフトバンクが進める第2の米携帯電話会社買収が暗礁に乗り上げており、新たな買収のための資金が不要になった結果に違いない」といった形で様々な憶測が飛び交っている。

ソフトバンク、ヤフー、イー・アクセスの3社の間に、いったい何があったのだろうか。『現代ビジネス』編集部の依頼を受けて、急きょ、その背景を探ってみた。

説明不足の白紙撤回に批判も

「当社(ソフトバンク。筆者注)とヤフーで協議を重ねた結果、添付資料のとおり本取引(ヤフーによるイー・アクセス買収。同)を中止することとなりましたので、お知らせいたします」--。

ソフトバンク、ヤフー・ジャパン、イー・アクセスの3社は19日、それぞれが文書で、ヤフーによるイー・アクセスの買収を白紙に戻す方針を唐突に公表した。

問題は、異例の短期間での方針撤回にもかかわらず、文書が公表されただけで、孫社長をはじめグループ各社の幹部が記者会見を開かなかったことだ。

このため、株式市場だけでなく、IT・通信業界や、所管の総務省など各方面が疑心暗鬼に陥った。新聞でも、日本経済新聞がインターネット版で外資系証券会社のコメントとして「白紙になった経緯が余りにも説明不足」といった批判を掲載する始末になった。

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