「みなさまのNHK」、無検証の乱暴な発信は籾井会長だけではなかった!?

NHKオンラインより

就任時の会見で、ろくに調べもせず、根拠なしに「(慰安婦は)どこの国にもあった」と放言し、猛反発を買ったのはNHKの籾井勝人会長だが、同局の報道・情報番組でも同じようなことが見受けられる。

外部情報のコピペで論じた「マイルドヤンキー化」

一例は5月12日に放送されたNHK『おはよう日本』。一部の広告代理店関係者や文化人が唱えている若者の「マイルドヤンキー化」を、ほぼ無検証で確たる裏付けも取らずに伝えた。

マイルドヤンキー論は興味深い説であり、肯定する人も多いようだが、一笑に付す向きもある。それなのにNHKは検証なく報じ、一方的に拡散させた。公共放送が取り上げるからには、この説を自分たちで一から検証するべきではないのか。そう面倒な作業ではないはずだ。

NHKの調査能力は民間の広告代理店等とは比較にならないほど強大だが、番組側が示したエビデンスは僅か30人の若者のアンケート結果と声だけ。失礼ながら、サンプル数は学級新聞並みだ。

いつの時代であろうが、若者一人ひとりは千差万別。たとえば、バブル期であろうが、若者がそろって浮かれていた訳ではない。検証もせず、公共放送までがイージーに若者全体を一括りにするのは乱暴な話だ。

NHKが示したマイルドヤンキーの特徴は以下の通りだ。

●「絆」「仲間」「家族」という言葉が好き
●地元(半径5㎞位内)から出たくない
●車(特にミニバン)が好き
●ショッピングモールが好き
●EXILEが好き

一体、これらの事柄のどこが珍しく、マイルドヤンキーの特徴なのか? どの時代であろうが、「仲間」「家族」という言葉が嫌いな若者を探すほうが難しいはずだ。「絆」も3.11後に広まった現代人のキーワードの一つであり、この言葉を好む人が多いのは若者に限った話ではない。

地元から出たがらないのは、都心と郊外、あるいは地方との画一化や均質化が進み、わざわざ遠出しなくても済むようになったからに過ぎないのではないか。80年代までは、都会でしか買えない物品が数多くあったが、今はネットで何でも簡単に手に入る。

どこの店舗でも同じ商品を提供するコンビニが郊外や地方にもある。外食チェーンやレンタルビデオ店チェーンも広く隅々にまで出店している。「半径5㎞以内から出たくない」というより、「半径5㎞以内から出なくても生活に困らない」のではないか。

「車が好き」というが、郊外や地方では車がないと生活できない。都心部と違い、地下鉄網などが存在しないのだから。車はいわば生活必需品。地方では主婦や高齢者の車所有率も高い。マイルドヤンキーとは無関係だろう。

「特にミニバンが好き」というが、いつの時代でも車には流行があり、それは繰り返されてきた。第一、ミニバンのブームは今に始まった訳ではない。1990年にトヨタのエスティマが発売し、軽自動車でも93年にスズキのワゴンRが売り出したころから続いている。

「ショッピングモールが好き」というが、これも都心部に行かなくたってユニクロやニトリ、イケアなどの商品が簡単に買えるようになったからだろう。

コンビニとショッピングモール、さらにスマホとパソコンがあれば、都会と郊外、地方が、さほど変わらない生活を送れる時代になっただけとも言える。だが、NHKはマイルドヤンキー化という説を流布するだけに終わった。

「EXILEが好き」というが、これも特別な傾向ではないはずだ。都会でもEXILE風の若者が跋扈している。第一、『おはよう日本』はEXILEのCD購買層、ファン層の調査すらしていない。

NHKは無検証どころか、考察すらせず、自分たちの見解も放棄したのだ。これでは、まるで外部情報のコピペだ。

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