防衛・安全保障 国際・外交
すでに論理破綻!?集団的自衛権の解釈変更で追い詰められる公明党

集団的自衛権の憲法解釈の変更に踏み出す「基本的方向性」を打ち出すに当たり、首相官邸は用意周到に準備を進めた。

首相・安倍晋三は「決め手はパネル」と読み、15日の記者会見で用いたパネル作成で陣頭指揮を執り、官僚作成案を退け、某民放の子会社に発注した。官房長官・菅義偉は首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告書提出から3時間後に首相の記者会見をセットした。安保法制懇の報告書が一人歩きして反発が強まるのを回避するためである。

その効果はともあれ、憲法解釈の変更をめぐる与党内の攻防で、強い難色を示し、一見世論の支持を得ているかに見える公明党・創価学会は次第に追い詰められていくのではないか。

「視聴率取れない」とテレビの扱いは小さく

この攻防を見るに当たり、2つの視点を持つ必要がある。

1つは、憲法解釈を変更する閣議決定が最大のヤマ場であることだ。閣議決定に基づく自衛隊法改正案などの法案提出は来年4月の統一地方選終了後にずれ込む。通常だと法案の閣議決定と国会審議が近接しているが、閣議決定さえ行ってしまえば法案審議まで最大で10カ月近くあるということだ。その間に熱が冷めると官邸は読む。

2つ目はこの問題を報道する活字メディアとテレビメディアで扱いが大きく異なることだ。朝日新聞は16日付朝刊で1-4面、第1、2社会面、首相会見や安保法制懇報告書全文を掲載した8-11面のほとんどを使って大展開した。これに対し、民放テレビ各局の扱いは小さかった。16日付朝刊のラジオ・テレビ欄で報道・情報番組が取り上げる項目を見てみよう。

午前中の番組で取り上げる予告を出したのは日本テレビ系「ZIP!」「スッキリ!!」、テレビ朝日系「グッド!モーニング」「モーニングバード!」「スクランブル」、TBS系「いっぷく!」だった。これらの番組でも、より優先されたのは韓国での「旅客船沈没事故から1カ月」だった。視聴率が高いフジテレビ系「めざましテレビ」「とくダネ!」や、TBS「朝チャン!」にはなかった。昼時間帯のTBS「ひるおび!」にもなく、日テレ系「ミヤネ屋」で取り上げたが、夕方のニュース番組ではゼロだった。

「集団的自衛権の問題は女性が見ず、とくにF2層で視聴率が取れない」

テレビ局関係者はこう言う。ビデオリサーチなど視聴率調査会社は男女別、世代別に視聴者層を分析、Fは英語で女性を表すFemale、MはMaleの略で、世代層では1が20-34歳、2が35-49歳、3が50歳以上を指す。

テレビ局がとくに重視しているのはF2層だ。購買力が強いとされ、この層で弱いとスポンサーが離れていく。したがって集団的自衛権を扱うのは避けるようになる。

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