ECBの金融政策発動期待でユーロ安が続く

マリオ・ドラギ欧州中央銀行総裁総裁の打てる手は限られている  photo gettyimages

足許の為替市場でユーロが弱含みの展開になっている。

この背景には、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和策の実施に対する期待が盛り上がっていることがある。5月中旬に発表されたユーロ圏域内のGDPは、前期対比0.2%増と市場の予想を下回った。

また、ユーロ圏の消費者物価指数の推移が前年対比1%以下の水準に留まっており、ユーロ圏の経済状況の低迷は続いている。そうした状況に対してECBのドラギ総裁は、次回の会議で一段の金融緩和策の実施を示唆している。

今まで、ユーロ圏の大手金融機関が海外資金を本国に回帰させる動きも一服しており、経済に基礎的要素=ファンダメンタルズ考えると、今後もユーロ安傾向が続く可能性が高いと見られる。

限られるECB金融政策の選択肢

ECBドラギ総裁の発言などから考えると、次回のミーティングで具体的な金融緩和策が実施されることはほぼ間違いないと見てよいだろう。問題は、実施される背策の選択肢が限られていることだ。

恐らく、ドラギ総裁はユーロ圏諸国の国債買い入れの規模を増やすか、金利の引き下げ、さらには中小企業向けの融資拡大の促進策などを打ち出すことになるだろう。しかし、そのいずれの政策によっても、大きな効果が期待できそうもない。

フランクフルト在住のアナリストによると、「世界的な不動産バブルの跡始末が終了していない為、短期間に、金融政策だけで景気を回復させることはできない」という。ユーロ圏の景気の低迷が続くと、これからもユーロの弱含み傾向が続く可能性は高い。

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