野球
二宮清純「元巨人、カープ初Vの感動を語る」

古巣見返す一岡に重なる深沢

 メジャーリーグでいうところの「インターリーグ」、セ・リーグとパ・リーグの交流戦がスタートしたのは2005年からです。球界再編騒動の副産物として誕生した経緯があります。

 今季で10回目の交流戦ですが、首位で交流戦を迎えるのは23年間、優勝から遠ざかっている広島にとっては、初めてのことです。

 5月15日現在、25勝14敗の好成績で2位・阪神に3ゲーム差をつける広島。大躍進の功労者のひとりが、今季FAで巨人に移籍した大竹寛投手の人的補償として広島にやってきた一岡竜司投手です。

 全てリリーフで17試合に登板し、1勝0敗、12ホールド。防御率0.00と完璧です。

 巨人から移籍し、古巣を見返す――。一岡投手の姿に1975年の初優勝時の深沢修一さんの姿が重なります。

 若いファンには馴染みが薄いかもしれませんが、主に代走、守備固めで起用された深沢さんはチームになくてはならないバイプレーヤーでした。

 深沢さんの仕事は多岐に渡っていました。当時、広島の外野陣はレフトの水谷実雄選手、ライトのリッチー・シェーンブラム選手ともに守備に不安を抱えていました。終盤、競った場面では深沢さんが守備固めに起用されました。

 足も速かったため、接戦では代走としても起用されました。「ほとんどノーサインで走らせてくれた」というのですから、古葉竹識監督からの信頼の大きさが窺えます。