欧州の最高裁がネット上での「忘れられる権利」を支持
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欧州の最高裁にあたる欧州裁判所(European Court of Justice:ECJ)は現地時間の13日、グーグルに対し、検索エンジンの表示結果に削除要求があった場合、(ケース・バイ・ケースながら)それに応じる義務があるとする判決を下した。

●"European Court Lets Users Erase Records on Web" The New York Times, MAY 13, 2014

ウエブ上での、いわゆる「忘れられる権利」が認められた形で、「表現の自由」と「プライバシー」の間のバランスが大きく後者に傾いた。また今後、グーグルをはじめ検索エンジン運営業者に、多数の削除要求が寄せられる事も予想される。さらに日本や米国など諸外国にも、同様の動きが波及する可能性があるなど影響は極めて大きい。

合法的な記事でも削除できる

今回の判決は元々、2009年にスペインの弁護士が起こした訴訟に端を発する。この弁護士は、自分の名前でグーグル検索すると、必ずスペインの新聞に1998年に掲載された記事が表示されることに強い不満を感じていた。その記事には、同弁護士が社会保障費の未払いを続け、最終的にスペイン政府から財産を没収されたことが掲載されていた。

これ自体は事実で、この新聞記事にも何ら違法性はない。が、同弁護士は「記事は既に随分昔の話であり、今の私にはほとんど関係がない」という理由で、グーグルに同記事へのリンクを削除する(つまり検索されても記事を表示しない)よう要求した。

しかしグーグルがこれに応じなかったため、同弁護士はスペインの裁判所に提訴した。スペインでは同様の訴訟が200件以上起きていたため、スペインの司法当局はこれらをまとめて欧州裁判所へと回した。冒頭の判決は、これらの中から同弁護士と、一種の医療過誤を犯した美容外科医による訴訟の2件だけを取り上げて司法判断が下された格好だ。