朝鮮総連本部「売却決定」で拉致問題に暗雲――マルナカ説得に失敗した官邸の失態
「朝鮮総連立ち退き」なら拉致事件解決への日朝協議も暗礁に!?  photo gettyimages

たかだか評価額35億円の不動産物件が、日朝関係を揺るがせている。

追い出される「北朝鮮の大使館」

東京都千代田区の朝鮮総連中央本部のことで、東京高裁は12日、土地・建物を巡る競売でマルナカホールディングス(本社・香川県高松市)への売却を許可した東京地裁の決定を支持、総連の執行抗告を棄却した。

これで売却手続きは開始され、マルナカが落札価格の22億1000万円を納付した時点で、所有権は移転。マルナカは、現時点で継続使用を認めておらず、総連は明け渡しを余儀なくされる。

事実上の「北朝鮮の大使館」を追い出されることに、総連は反発を強めており、今後、様々な対抗策が模索されよう。

その方針が定まるのが、今月24日、25日の両日、都内で開催される総連の最高意思決定機関の全体会議である。今回は、金正恩第一書記が最高指導者となって初めての大会。ここで、許宗萬議長が再任するのは確実だが、許議長は中央本部売却阻止に向けた動きを強めると見られる。

競売阻止という法的手続きは阻止できなかったものの、政治的な揺さぶりで日本政府を揺さぶることになる。

当面、考えられるのは、前向きに検討していた「拉致被害者の安否の再調査」の拒否と、日朝協議の延期である。

そうした抵抗を予想して、岸田文雄外相は5月13日の記者会見でこう述べた。

「この(東京高裁が執行抗告を棄却した)問題と日朝協議の開催は関連するとは考えていない」

だが、反発は当然、予想された。それに備えて官邸は手を打っていた。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら