安倍首相が進める憲法改正は「影響を受ける若い世代こそ議論すべきだ」
鈴木崇弘・城西国際大客員教授インタビュー

鈴木崇弘・城西国際大学教授(筆者撮影)

集団的自衛権の扱いなど、憲法のあり方を巡る議論が国会で佳境を迎える。

そんな中で、鈴木崇弘・城西国際大客員教授は、国民の間での議論があまりにも少ないと問題視する。とくに「若い世代が最も影響を受けるのに、ほとんど若い人の意見は反映されていない」と指摘する。

そんな鈴木氏が10代の若者との議論をまとめた小冊子『僕らの社会の作り方~10代から見る憲法~』をまとめた。出版の狙いを聞いた。

 実際に負担を背負う若い世代の議論のきっかけに

---若者と憲法について語ろうと思われた理由は。

鈴木 今の若い世代は様々な負担を背負わされています。財政赤字による国の借金にしても、環境破壊や資源枯渇にしても、そのツケを払うのは間違いなく若い世代です。制約条件がどんどん増える中で、若い人たちの活躍の場がどんどん狭まりつつある。大学で教えていて、そう痛感するのです。

ところが、憲法改正など将来の国の形を決める議論で、まったくと言ってよいほど、若い人たちの意見は反映されていません。国会議員や財界人、言論人など多くが高齢者です。そうした高齢者の意見ではなく、実際に負担を背負うことになる若い世代こそが国の将来について議論すべきだと考えました。

---本の中では10代の若者と議論されています。

鈴木 はい。投票権のない世代です。彼らの声が憲法改正議論に反映される仕組みはないわけです。また10代の人たちもなかなか議論しようとしません。

『僕らの社会のつくり方』では各章ごとに課題を掲げ、私と若者の意見を議論のきっかけにして欲しいと考えました。憲法学者や政治家の意見だけを聞いて考えるのではなく、同世代の若者たちの声を聞いて、自分自身で考えてみる。議論してみることが大事です。若い人どうしだけではなく、一般の社会人に若者の考え方を聞いてもらうきっかけにもなります。

---憲法改正に反対の立場から作られた本なのですか?

鈴木 いいえ。私個人にはもちろん意見はありますが、それを押し付けるための本ではありません。司会も中立を心掛けました。

議論される内容については、間違っていてもよい。それを材料に自分たちの憲法について、きちんと考え、議論することが重要だと思っています。末尾の参考文献を見ていただければ分かりますが、改正に賛成・反対両方の本が並んでいます。また、自民党の「草案」などのURLも示してあります。

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